〔土居議員登壇〕(拍手)
◆土居昌弘議員 皆さんこんにちは。9番土居昌弘、ただいまから自由民主党のラストバッターとして質問させていただきますが、質問に先立ちまして、一言お礼を申し上げます。
この3月末をもって退職されます日高企業局長を初め、多くの職員の皆様、本当にお疲れさまでございました。厚くお礼を申し上げます。
豊富な知識と経験をお持ちの皆様方には、各地域でよりよい県政推進に向けて、引き続きの御支援、御活動をお願い申し上げます。
また、速記での記録も本年度が最後と伺っております。大変お世話になりました。これからも新しい職場で御活躍をお願いいたします。
まず、防災に関する自助意識の醸成について質問いたしますが、残念ながら、いつもの美声ではございません。鼻声ですが、何とぞ御了承をお願いいたします。
さて、今定例会の代表質問や一般質問でも取り上げられていますように、多くの議員が防災対策を県政の中心的な課題の一つだと捉えております。
県は、東日本大震災以降、防災対策を強力に推進しています。南海トラフ大地震など、今後発生が懸念されている大規模災害に備えるため、熊本地震における県の対応を年内に検証し終えたことからも、防災対策に対する姿勢がうかがえます。
熊本地震では、竹田市社会福祉協議会が南阿蘇を支援するボランティアのベースキャンプを開設し、支援活動を行いました。南阿蘇に送り出したボランティアは、41都道府県から延べ1,991人、まさに竹田市を挙げての取組でした。
そこで、今回の活動主体となった竹田市社会福祉協議会に話を伺ったところ、このような活動ができたのは県のおかげさまだといいます。
ベースキャンプの運営には、自ら動ける職員が必要です。県は、これまで社会福祉協議会の職員を対象に防災ボランティアセンター運営リーダー研修を実施し、職員のスキルアップを図ってきました。また、市町村災害ボランティアネットワーク会議を開催していたことから、関係機関や団体と連携した支援活動ができたというのです。そして、このような事業をしている都道府県はほかにはないと付け加えました。その言葉に私もうれしくなった次第です。
個人のスキルアップと関係機関とのネットワークが重要であることから、来年度は県内の自治体職員を対象として合同研修会を開催するとのことです。
私自身も、この取組は非常に重要であると確信しておりますので、事業推進を切にお願いしておきます。
さて、災害に対しては、自助、共助、公助が大切だと言われます。このうち、県の施策を見てみますと、当然のことながら、公助の部分が目立ちますが、防災減災を考えると、共助、そして自助も大事であります。
昨年12月下旬に、議員9名でキューバに政策調査に行ってきました。キューバは、ハリケーンのメッカであります。しかしながら、国民の迅速な避難行動により犠牲者は極めて少なく、国連からすぐれた取組として「世界の防災モデル」と評価されております。そこで私が注目したのは、自助、共助の部分です。
年に一度行われる全国避難訓練「メテオロ」、ハリケーン襲来季節の前に2日間にわたって実施されます。政府や自治体はもちろん、労働者や学生など、全国民が参加して実施され、計画の妥当性を検証し、改善を進めています。
また、学校教育でも防災を考える防衛という科目をきちん設置してあり、国民の防災減災意識を高めています。
1月30日に鹿児島でありました九州各県議会議員交流セミナーでも、消防大学校の日野教授が自助の大切さを訴えていました。
近年、災害が多発していることから、防災教育の必要性を説く声は高まっており、それなりの前進は見受けられます。しかしながら、多くは依然として点レベルの一過性の教育にとどまっているというのです。
災害大国でありながら、日本では防災教育が制度化されていないため、住民の危機意識や当事者意識は非常に低いと言えます。ですから、小学校、中学校、高校において、全児童生徒を対象とした、面あるいは層レベルの持続的な防災教育が必要です。そうすることで、若い世代全体で一人一人が災害を正しくイメージできるようになり、その結果、正しい対応ができるようになるのではないでしょうか。
国が行わないのであれば、県が行うこともできますこの自助意識の醸成、まず始めに、県民に対してどのようにこの意識を育てていこうとされているのか、知事のお考えを伺います。
〔土居議員、対面演壇横の待機席へ移動〕
○末宗秀雄副議長 ただいまの土居昌弘君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。
〔広瀬知事登壇〕
◎広瀬勝貞知事 ただいま土居昌弘議員から災害時における自助意識の醸成について御質問を頂きました。今日は鼻声でございましたけれども、鼻声も別に悪くないなという感じで聞かせていただきました。
災害が発生した際に、行政による迅速かつ的確な対応が必要であることは申し上げるまでもありませんけれども、私はこれまでも、まずは自助、一人一人が自分の身は自分で守ると覚悟を決めていただいて、自分の置かれた状況を正しく捉え、とるべき行動を自ら判断できる力を身につけていただくようお願いをしてまいりました。
今回の熊本地震の対応に関する熊本県による検証におきましても、本震後、避難者が急増し、それに伴い物資の不足が生じたことから、やはり家庭における水、食糧の備蓄など、自助の必要性が上げられております。
県では、広く県民の防災意識の醸成を図るため、毎年6月と11月の2回、サイレン吹鳴の確認や避難行動の実践を促す県民防災アクションデーの取組を全市町村で実施しているところであります。
9月の防災週間には、県内量販店の協力のもと、災害に備えた防災グッズ等の展示や販売を行う防災グッズフェアも開催しております。
また、平成26年度に導入いたしました地震体験車「ユレルンダー」を活用しまして、県内の小中学校や地域イベントの会場などにおきまして、地震の恐ろしさや身を守る姿勢などを体験していただいております。
一方、自助の意識を一層醸成していくためには、自主防災組織の活動を通じた取組が重要であろうと思っております。
竹田市下矢倉地区では、昨年度、地域住民と防災士が一緒になって、防災まちあるきや避難カードの作成などを行う県のモデル事業を実施いたしました。今年度は、この下矢倉地区の住民が中心になって、市内全域にこの取組を普及させるための研修会を実施しております。
こうした取組の中心的な役割を担うのが防災士であります。本県の防災士は、本年2月末で8,354名と全国3位、人口当たりで見ますと、全国1位となっております。
引き続き、市町村と連携いたしまして、防災士の養成とともに、スキルアップ研修などによって、その実践力の向上に取り組んでまいります。
加えて、自主防災組織等を対象に防災対策などに専門的知識を持つ県防災アドバイザーの派遣を行っております。今年度は、県内96か所の公民館などで、熊本地震から学ぶ日頃の備えなどをテーマに研修会を開催しておりまして、今後も地域のニーズに応じたアドバイザーを派遣してまいりたいと思います。
引き続き、あらゆる機会を捉えて、市町村や関係機関ともしっかり連携をしながら、県民一人一人に防災意識の一層の醸成に取り組んでまいりたいと思っております。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 ありがとうございました。
下矢倉の自主防災組織の取組とかは、先週ありました竹田市の防災士のスキルアップ研修会で学ばせていただきました。是非、県下に広めていただきたいと思っている次第でございます。
いずれにしましても、自治体の防災力は、その首長の力次第だということでございます。広瀬知事におかれましては、引き続きまして、高い防災意識を持って施策の構築に努力をしていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
次に、人々に防災意識を持ってもらうためには、学校教育はとても重要だと思います。子どもたちに自助、共助の大切さを学んでもらうためにどのような教育をしているのか、教育長に伺います。
○末宗秀雄副議長 工藤教育長。
◎工藤利明教育長 防災教育についてお答えをいたします。
本県では、児童生徒の自助意識を高めるために、災害時に自ら判断して行動選択できるように、各教科や避難訓練を通じた防災教育を行っております。
教科の学習では、社会で気象や地形について学ぶほか、国語で被災地の新聞記事の内容を分析して教訓を読み取ったり、理科で津波の押し寄せる水の量や持続する時間を計算したり、英語で地域の避難案内を作成するなど、様々な工夫が行われております。
避難訓練では、抜き打ちでの実施や、校舎の損壊、けが人の発生などを想定した実践的な訓練を推進することとしております。
また、津波、水害、火山などの災害種ごとにモデル校を指定して、元消防士の方などの専門家の協力を得ながら、効果的な防災教育の手法を工夫し、普及を図っております。
これらの取組を充実させるためには、児童生徒の発達段階に応じた教育が必要であることから、学校における体系的な防災教育の指針となる手引の作成を今進めているところであります。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 ありがとうございました。
では、例えば、その教育のために防災教育の実施方法ごとに指導内容の例を取りまとめた防災教育のための手引などを作っているのかどうか、それについてお伺いします。
○末宗秀雄副議長 工藤教育長。
◎工藤利明教育長 ただいま申し上げましたように、そういった体系的な防災教育の指針となるための手引の作成を今進めているという状況でございます。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 ありがとうございました。
多くの児童生徒たちが犠牲となった大川小学校でも防災教育を実施していたと聞いています。一方で、釜石の奇跡と呼ばれる釜石市内の学校でも防災教育を実施していました。しかし、その結果から見ても、その教育の質には大きな差があると思います。
釜石市の教育委員会では、「自分の命は自分で守ることのできる力をつける」と目標を掲げて、群馬大学の協力を受け、防災教育のための手引を作成し、学校教育での防災教育を実施していました。
その結果、東日本大震災のとき、市内14の小中学校の児童生徒約3千人で、犠牲となったのは5名のみです。99.8%の子供たちが助かっております。
本県でも作成しているということでございます。是非釜石市のような、そして、私たちが見てきましたキューバ方式のそういう教育を実現していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、障がい児者の歯科診療体制についてお伺いします。
障がい児者の歯科診療体制をめぐる本県の課題については、平成25年の第4回定例会において、私が現状と改善策について質問した際、当時の福祉保健部長から、県歯科医師会と連携して治療ができる歯科医師を増やすための研修や、特別支援学校等におけるフッ化物洗口等の予防措置に力を入れる趣旨の答弁を頂きました。
その後、衛藤博昭議員もこの問題を取り上げて質問し、改善に力を傾注するようにお願いしたところでございます。
確かに、支援学校でのフッ化物洗口が進んだことは感謝しますが、3年経過した現在にあっても、県内の障害者歯科学会の認定歯科医は依然として1名のままであり、障がい児者の歯科口腔(こうくう)ケアの現状は改善されないまま、むしろ深刻さを増しています。
この度、新年度当初予算案において、障がい児者の歯科診療体制の整備に向けた事業費が計上されていることは、関係者にとって一筋の光明であり、一刻も早い診療開始が待たれます。
そこで、この事業の内容と、今後、施設整備に必要な財源や歯科医師を始めとする診療スタッフをどのように確保し、いつ頃の診療開始を目指しているのか伺います。
また、新たな歯科診療施設を待ち望む障がいのある方々やその家族に対しては、新施設での受診促進に向けて、幅広い事前周知が必要と考えますが、今後どのように進めていくのか、知事の考えをお伺いします。
○末宗秀雄副議長 広瀬知事。
◎広瀬勝貞知事 土居議員には、かねてから障がい児者の歯科診療体制について御心配を頂いております。
これまで、県内には障がい児者専門の歯科医療施設が大分療育クリニック1か所しかなくて、障害者歯科学会認定医師の荒井先生に孤軍奮闘していただいておりました。
家族会など関係者から大変頼りにされている一方、受診したくても予約待ちが3か月にも及ぶといった切実な声が寄せられるなど、障がい児者歯科診療体制の充実は長年の懸案でありました。
かねてから、県歯科医師会や歯科医療施設、大学や患者団体など関係者と協議を重ねてまいりましたけれども、来年度、県歯科医師会が大分市内に障がい児者高次歯科医療施設を整備することになりました。
新たな施設では、知的障がいや発達障がいなどによりまして、地域の歯科医では対応困難な方に対する歯科診療を専門的に行うことといたしまして、大分療育クリニックとの連携によって、効率的な歯科診療体制の構築を目指しております。
また、地域歯科医師への臨床研修の機能をあわせ持たせることによりまして、障がい児者に対応できるかかりつけ歯科医の育成を図っていきたいと思っております。
現在、県歯科医師会では、開設に向けて委員会を立ち上げまして、施設整備やスタッフの確保、研修プログラムの検討などを進めております。
施設整備については、県歯科医師会で確保予定の民間補助金に加えまして、当初予算案に計上した県の補助金で賄うことにしております。
とりわけ、この事業の成否の鍵を握る県内2人目となる認定歯科医師の確保につきましても、県歯科医師会が県外の大学等に精力的に働きかけて、既に数名の候補者が上がっていると聞いております。
また、歯科衛生士につきましても、県歯科衛生士会の御協力を頂いて、障がい児者の診療現場での実務経験豊富な方の確保も進めているところであります。
新たな施設は、今のところ、来年3月の開設を予定しておりますけれども、障がいのある方や御家族からの要望も高まっていることから、極力早期の開設にこぎつけたいと考えております。
なお、事前の周知につきましても、御注文がありましたけれども、県歯科医師会が県内全ての障がい児者施設に対して、リーフレット等の配布を行うとともに、県といたしましても、各種広報媒体や市町村の広報誌なども活用しながら、あらゆる機会を通じて広報に努めることとしております。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 県の積極的な取組に感謝申し上げます。ありがとうございます。
また、障がい児者歯科診療体制を強化したいと願い、新しい体制を構築しようと今努力をしております大分県の歯科医師会の皆様に深く感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。
今後は、周知並びに設置する医療機関の運営も重要でございます。来年3月開設、そして、できるだけ早く開設したいという県の思いがございます。それを開設して、それからの運営でございます。県も歯科医師会も、そして、大分診療クリニック並びに別府発達医療センターも、一緒になって知恵を絞っていただきたいと思っております。
大きな課題でございますので、一筋縄ではいきません。やはり関係者が集まって、知恵を出し合いながら、よりよい環境をつくっていただきたいと願っている次第でございます。よろしくお願いいたします。
次に、精神科の医療救急体制についてお伺いします。
まず、県立の精神科の設置についてです。
知事を初め、執行部の英断により、本県でも平成32年度の開設を目指し、精神保健福祉法に定められた県立精神科の設置に向けた取組が進められております。
今回の予算案でも、県立病院精神医療センター整備事業が計上され、実施設計など着実にハード面の整備は進行しております。
ところが、精神科設置に向けたソフト面の取組が私たちには見えてきません。昨年3月29日に設置に向けた基本構想を取りまとめてから、県の動きが見えてこないのです。
基本構想に盛り込まれた精神科救急情報センターについては、構想策定の当初は精神障がい者や家族から直接センターに医療相談などができるようになっていましたが、構想の最終版では、その両者の間に民間病院の輪番制による相談窓口が入り、障がい者や家族は一度そこに相談することになりました。
今回、予算計上されております救急医療システム整備事業により、精神科救急電話相談センターが24時間365日体制になるということですが、まず、基本構想を取りまとめてからのこの1年間、どのような取組を行っていたかを伺います。
併せて、今後、本県の精神科救急医療体制をどのように確立していこうとされているのか、お聞かせください。
○末宗秀雄副議長 草野福祉保健部長。
◎草野俊介福祉保健部長 精神科救急医療についてお答えいたします。
本県における精神科救急医療体制の確立に向けては、次の2点について取り組むことが重要だと考えております。
一つは、精神疾患のある方やその家族からの電話相談に応じる相談窓口の24時間365日対応を実現することです。
相談窓口は、現在、21時までの対応にとどまっており、精神保健福祉会の皆さんも一日も早い21時以降の対応を切望されております。
そこで、まずは来年度から医療相談業務に実績のある民間機関の活用により、夜間、休日に症状が急変した場合など、必要なときにいつでも相談できる体制を強化していきます。
二つは、この相談窓口に必要に応じ、相談者の症状に適した医療機関につなぐ機能を持たせることです。
そのためには、つなぎ先医療機関の確保が不可欠であり、県立病院と民間精神科医療機関とが協力、連携し、常時受入れ可能な体制を構築する必要があります。
本年度、関係機関による協議の場を設置し、検討を開始しています。
今後も、県立病院精神医療センターの開設に合わせて、スピード感を持って精神科救急医療体制の充実に取り組んでまいります。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 ありがとうございました。
大分県が精神科救急医療体制を構築しようと思えば、やはり専門家や患者、家族の声を聞く場が必要だと思います。
今後、このような検討の場へ、そのような方々の参画はどのように考えているのか、お伺いします。
○末宗秀雄副議長 草野福祉保健部長。
◎草野俊介福祉保健部長 精神救急医療体制への参画についてであります。
当然ながら、医療従事者などの専門家、患者御本人から御意見を聞くことが大事だと思っていますので、今、検討している体制の中では、民間精神科の方々、公的医療機関、また、精神障がい者の代表である大分県精神保健福祉会の方、また、実際に設置をします県立病院、行政などが入って検討を行っております。
今回のセンターにつきましては、電話相談24時間体制につきましても、この検討の場の中で精神保健福祉会、家族会の方々から強い要望がありまして、県立病院の精神センターの設置に先駆けて、是非24時間365日体制を作っていただきたいという要望を受けて作るようにしたものです。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 それでは、24時間365日体制となる相談窓口ですけれども、具体的にはどのように対応するのか、どこの業者がこれを受け持つのか、その点について伺います。
○末宗秀雄副議長 草野福祉保健部長。
◎草野俊介福祉保健部長 委託先についてお答えいたします。
3月9日に入札を実施いたしまして、東京都に本社を置く、医療相談業務等を専門的に行う民間機関が落札いたしました。
今後、ここと協議していくことになりますが、その機関は、医師、看護師、保健師、精神保健福祉士など、専門スタッフを200名以上抱えておりまして、受託した業務内容に応じて適任の相談員を配置する体制になっております。
実績といたしましては、例えば、いじめ教育相談など、大分県を初め20自治体、また、小児救急電話相談については鹿児島県など13自治体、障がい者虐待相談についても23自治体、今回我々がお願いいたします精神医療相談窓口についても、既に富山県や宮城県で受注実績があります。
お話を聞いてみますと、これまで相談員により対応がまちまちであったものが民間委託により相談事例が蓄積、集約され、相談対応の質の向上につながったとかいうような評価も頂いておりまして、相談内容は十分対応できると考えています。
また、富山県での事例では、議員がおっしゃったように、相談窓口と情報センター、トリアージしていくようなものですね--との、あわせ持つ機能を富山県では行っているということでありますので、地域の医療機関、地元の医療機関と連携も十分できると考えております。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 例えば、竹田市で夜の11時に心の具合が悪くなって、電話相談センターに連絡したところ、その回線は東京都につながるということですが、東京から指示を出すということですので、東京都の業者側にきっちりとやっぱり大分県の精神科医療の体制を周知する必要があると思います。多分できている都道府県というのは、そこをきっちりとやっているのではないかなと思っております。
その辺をどのように考えているのか、お伺いします。
○末宗秀雄副議長 草野福祉保健部長。
◎草野俊介福祉保健部長 議員がおっしゃるように、受入先がないと、幾ら相談に応じても本当に困った方は救えないというのは、おっしゃるとおりであります。
今、検討の組織を先ほど申し上げましたように立ち上げてやっておりまして、その中では、当然ながら、県立病院、民間病院を含めて、しっかりした受入れ体制ができるような形をつくっていきたいと考えております。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 よろしくお願いします。
先ほど県は、当面の大きな二つの課題として、相談窓口の24時間365時間体制、それともう一つ、つなぐ役ということをおっしゃっていました。
電話相談センターで、緊急な医療が必要な人と緊急性でない人をトリアージして、次につないでいくということですが、ここがとても大事で、緊急入院が必要でないと判断しても、受診につなげたり、明日までのしのぎ方を助言したり、技術と時間と有能なスタッフが必要となります。
その業者並びに21時までの電話相談センター並びに輪番制で取り組む20の民間病院、これでこの体制がとれていくのかどうかというのは大きな不安でございます。
この体制が一番大事ですので、これをしっかりと保って体制を築くべきだと思いますが、この体制をどのようにして確保していくつもりなのか、お伺いします。
○末宗秀雄副議長 草野福祉保健部長。
◎草野俊介福祉保健部長 先ほども申し上げましたように、今、関係者、民間病院、公立病院、精神保健の関係者、また、家族の方々と協議を進めております。その中で、しっかりした体制がとれるように御相談をしていきたいと思っております。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 しっかりとした体制がとれるようによろしくお願いいたします。
次に、搬送、移送の問題です。
家族の声の中で最も多く今後の課題として上がるものです。
本人を病院まで連れていく際に、本人が自ら病院に行くことを嫌がって暴れると、年老いた親の方が私たちに訴えます。病院に連れていくまで大変で、殺されるかと思ったとおっしゃる方もいます。
県の救急医療体制の搬送、移送については、身体症状による救急搬送、県立精神科から民間病院への後方搬送、身体合併の転院など、そういった搬送が位置付けられておりますが、現場で困っている家族の位置付けが全くありません。
この搬送、移送についても検討を進めることが必要だと思いますが、県の取組はどのようになっているのか、お伺いします。
○末宗秀雄副議長 草野福祉保健部長。
◎草野俊介福祉保健部長 医療保護入院に係る移送は、人権上の問題もあることから、行政が簡単に実施できるものではないと考えております。精神保健法も人権は非常に大事にしていますので、例えば、措置入院の場合は強制的に県が搬送し、入院させることができるけれども、それ以外はそんな簡単なことではないという現状の中で、制度的には、家族等が本人を搬送することが最優先とされております。
ただ、要件に合致した場合には、緊急避難的に県も実施するようにできておりまして、具体的には、県による事前調査を行って、医療面で必要性が認められた場合に、搬送先となる医療機関以外の指定医により診察を行うことを要件としてやることができるようになっています。
過去の例を見ますと、平成23年に1件、そういうのを実施した例がありますし、九州各県を見ましても、平成26年に4件、平成25年に3件ということで、なかなかそう簡単にできるような制度にはなっていないと考えております。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 しかしながら、厚労省の社会・援護局障害保健福祉部長が平成27年4月24日に出しています精神科救急医療体制整備事業についてというものでは、この搬送体制の項目で、消防機関、精神科救急医療施設等の協力を得ながら、患者を速やかに搬送することが可能な体制を整備するものとあります。
しっかりとこの点も踏まえて整備していただきたいと思います。
様々な問題があるでしょうが、やはり患者、そして家族の皆さんの安心につながると思っておりますので、今後、深く検討をお願いします。よろしくお願いします。
更に伺いますが、県立精神科病院ですが、入院が必要であるにもかかわらず、本人が入院を嫌がる。しかし、状況を判断して、保護者などの同意を得て行われる医療保護入院を対象としています。自傷、他害のおそれがある場合は、措置入院や緊急措置入院として強制入院させられるのですが、この入院は、現状の民間入院の輪番制でいこうと、今、県ではしています。
現在、この輪番制で、県下で起こっている問題は、措置入院をするのに、例えば、中津から佐伯へとか、竹田から日田へとか、遠くに入院させられ、患者家族の対応に困難が生じております。
私は、県立精神科病院の原則は県の方針でいいと考えておりますが、患者家族の困難や負担の軽減のために措置入院のケースも状況を鑑みて、県立の精神科病院でも受入れしていくべきだと思いますが、この辺はどのように考えているでしょうか。
○末宗秀雄副議長 草野福祉保健部長。
◎草野俊介福祉保健部長 基本構想におきまして、今後の措置入院についても、民間病院の輪番制で行うとなっています。
それはなぜかと申しますと、夜間等の措置入院を全て今回できます新しい県立病院で対応いたしますと、医師や看護師を初めとしたスタッフが疲弊して、救急医療体制自体が崩壊するおそれがあるからであります。
したがいまして、原則としては、民間病院の輪番制を残して、先ほど議員も言われましたように、県立病院と民間病院との連携、役割分担の中でしっかり対応していきたいと思います。
ただ、今、例に挙げたように、遠隔地の場合どうするかというのがありますので、そういう場合でなかなか大変だなという場合、又は措置入院が複数同時に起こったとかいう場合には、県立病院で対応する場合もあろうかと考えております。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 ありがとうございました。
いずれにしましても、救急情報センターと、その前に電話相談センターがございます。この二つをどのように運営させていくかというのが大きな問題だと思います。
特に、電話相談センター、一応そこにクッションが入るわけですから、なるべく迅速に、そして質の高いトリアージを可能にしていくための体制を、その在り方も含めて検討していただきたいと思っております。
いずれにしましても、平成32年度、県立精神科病院の開設に向けて、精神科救急医療体制を構築していくとともに、平成32年を待たずに、現時点でできる限りの対応をしていかなければならないと思っております。
今回、電話相談センターが24時間365日体制となり、一歩前進しましたが、精神科救急医療が抱える問題が解決したわけではございません。引き続き、執行部と意見を交えて、大分県に最高の精神科救急医療体制を築いていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
次に、三重総合高校久住校についてお伺いします。
県内の農林水産業を将来にわたり発展させるためには、地域農業の振興と地域コミュニティーの活性化を担う将来のリーダーを育成することが不可欠であります。
水産業の担い手確保策を見てみますと、海洋科学高校が分校から単独校とされ、香川県との実習船共同運航など、これまでにない方策により人材の育成に取り組んでおります。
一方、将来の農業を担うリーダーの育成についてですが、県内唯一の農業系単独校であります三重総合高校久住校の教育の在り方については、私は再三質問し、学校が抱える課題を明らかにして、改善を求めてきているところでございます。
さて、今定例会に上程されました来年度予算案を見てみますと、地域農業の振興と地域活性化を担う将来の若手リーダーを育成するために、久住校に研修拠点施設を整備する予算が計上されています。
この事業により、どのようにして、どのような人材を育んでいこうとされているのか伺います。
併せて、竹田市が設置する久住校の学生寮について、例えば、事故が発生した場合、県と竹田市、そのどちらが責任を負うのかなど、運営に関する課題について、どのように対応しようとされているのか、伺います。
○末宗秀雄副議長 工藤教育長。
◎工藤利明教育長 三重総合高校久住校についてお答えいたします。
仮称でありますが、くじゅうアグリ創生塾では、経営感覚にすぐれ、付加価値の高いものづくり、商品づくりができる人材を育成するとともに、県内9校全ての農業高校生が集まってくることから、将来の県農業を支えるチームづくりにも寄与できるものと考えております。
そのため、施設園芸から畜産まで、多様な経営形態が集まっております久住の立地条件を生かして、生産から流通まで幅広い実体験ができる研修プログラムを構築していきたいと考えております。
具体的には、6次産業化で成功した農業法人の経営者等によるセミナー、有機JAS認定を目指した環境保全型の農業研修、畜産後継者や新規農業参入者との交流会などを実施していきたいと思っております。
また、農業人材の裾野を広げるための小中学生対象の栽培や収穫体験、また、命の大切さを学ぶ飼育研修、更に一般希望者への農業体験講座などにも取り組んでいきたいと考えております。
施設の管理責任につきましては、一義的にはそれぞれの設置者が負うものでありますけれども、よりよい運営に向けて、今後、竹田市と十分協議をしていきたいと思っております。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 最後の十分協議を進めてまいりたいというところは、よろしくお願いいたします。
くじゅうアグリ創生塾という研修施設でございますが、久住校に併設し、久住校の教育機能の向上も図れるんではないかなと思っております。
私も、地元の議員として大変うれしく、心強く思っている次第であります。ありがとうございます。
しかし、ここを生きた研修施設にすることが第一であります。そうしていこうとすれば、県の農林水産部の協力が必要です。
そこで、本県の農林水産部におけるくじゅうアグリ創生塾の位置づけ並びに今後どのように本県農林業の振興につなげていこうとされているのか、お伺いします。
○末宗秀雄副議長 尾野農林水産部長。
◎尾野賢治農林水産部長 くじゅうアグリ創生塾の取組は、農業系の高校生はもちろんのことですけれども、小中学生の農業への理解促進などを通じて、将来の農業人材の確保という点で大変大きな期待をしております。
特に人材育成という面では、昨年、久住校の卒業生の3分の1、7名が農大に進学をしております。そうした意味で、農大と久住校の連携が大変大事だと思っております。
例えば、高い標高を生かした高原野菜に関する共同プロジェクト、また、両校ともGAPの取得が非常に進んでおります。そうした意味で、更に有機JASの認定といったようなことも視野に置いて、安全、安心なものづくりに対する実践力の向上といった点でも連携がとれていくんじゃないかとも考えます。
加えまして、加工、宿泊ができるということでありますので、女性農業者の6次化の支援、また、青年農業者の宿泊研修、交流といったことにも使えるのではないかと思っております。
久住校には、今年度から県の普及指導員OBがアグリコーディネーターという形で配置をされております。これまで以上に、農大初め、県農林水産部が久住校と連携を図って、研修施設の活用について協議を深めていきたいと考えております。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 ありがとうございました。
本日は、山坂会長を初め、久住校の同窓会の皆さんも傍聴に見えておられます。大変期待していると思います。
久住校を農業人材育成の拠点としていただきたいと思いますし、久住校が掲げる「小さな学校の大きな希望」、その希望を一つ一つ形にしていただきたいと思います。何とぞよろしくお願いいたします。
最後に、特別支援教育について伺います。
まず、特別支援教育推進計画でございます。
現在、本県の特別支援教育は、平成25年度から29年度までの第2次特別支援教育推進計画に基づき実施されています。
この計画では、障がいのある子供の教育的ニーズに最も的確に答える指導や支援を行うために、学びの場の物と質の向上を目指し、それを実現するための具体的な方策として、一つ目に、全ての教職員の特別支援教育に関する専門性の向上、二つ目に、特別支援学校の教育環境並びに教育内容の整備、充実、三つ目に、幼稚園、小中学校、高等学校における特別支援教育の推進を掲げ、特別支援教育を推進しています。
この計画の最終年度に当たって、これまでの計画実施状況をどう評価し、最終年度である来年度、どのように取り組み、仕上げていこうとされているのか、お聞かせください。
また、平成30年度から次期計画を来年度、平成29年度に策定しなければなりません。現時点でどのような検討をしているのか、併せてお伺いします。
○末宗秀雄副議長 工藤教育長。
◎工藤利明教育長 特別支援教育推進計画についてお答えをいたします。
第2次計画では、現在までに中津支援学校を新設するとともに、竹田を初め、四つの高等部分教室を高等部へと整備をし直しました。また、特別支援教育への認識を深めるために、全ての教職員に発達障がいの特性理解などの専門的な研修を実施してまいりました。
全ての高等学校において、高校版の合理的配慮提供手続マニュアルに基づいて自校版が作成をされ、取組が進められております。
小中学校の特別支援学級に在籍をする児童生徒への個別の指導計画作成率は年々上昇はしておりますが、通常の学級に在籍をしている児童生徒に対する計画作成率はまだ低く、内容の充実が必要であるなど、課題も多い状況であります。
来年度は、個別の指導計画作成に不慣れな学校へ医師や大学教授などの専門家を派遣するなどによって、児童生徒のニーズに応じた指導の充実を図っていきたいと思っています。
次期計画については、今年度、検討委員会において基本方針や教職員の専門性の向上、教育環境整備の検討を行っているところでありますが、来年度までに策定をしていきたいと考えております。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 地元の普通小学校等で特別支援教育をする際に、質の向上のために是非専門家等を交えて、その計画から作っていただきたいと思っております。
また、第2次について、お伺いしますが、第2次の計画では、別府地区の支援学校4校の在り方について検討開始を平成25年度にしていますが、特に別府支援と鶴見校、石垣原校の在籍者数に大きな開きが出てきております。
平成22年度から別府支援学校では、肢体不自由に加え、病弱児の受入れを始めました。ですから、その7年後の今年度、別府支援には病弱児受入れ前の平成21年度の在籍者数43名だったものが76名に増えております。
一方で、西別府病院と並んで建つ病弱専門の石垣原校は、平成21年は53名だったのが、28年は21名まで減っています。
この変動も対応する必要があるんじゃないかと思うんですが、この辺の検討はどのようになっているのか、お伺いします。
○末宗秀雄副議長 工藤教育長。
◎工藤利明教育長 今、御指摘のとおり、別府地区には知的障がいの子どもを対象といたします南石垣支援学校、肢体不自由、病弱の子供たちを対象とする別府支援学校の本校、鶴見校、石垣原校が設置されております。
この三つは近接をしておりますけれども、また、在籍児童生徒数の増加ということや校舎の老朽化など、それぞれの学校の課題がまた異なってもいます。
平成27年度に第2次計画のフォローアップ委員会を開催して、学識経験者、障がい者団体代表、PTA代表などの外部委員からそれぞれの課題について意見を頂いているところであります。
県の特別支援教育の課題に、より的確に対応できるように、フォローアップ委員会の意見をもとに次期計画で具体的な検討を進めていきたいと考えております。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 引き続き、検討の方をよろしくお願いします。
次に、3次計画づくりについてですが、2次の計画を策定する前に計画検討委員会が方向性を打ち出しました。この方向性を打ち出しているんですが、実は2次計画に載っていないものがあります。
その一つが、高等特別支援学校の設置です。
高等特別支援学校とは、卒業後の一般就労を目指し、職業科のカリキュラムを充実している支援学校で、入学には原則、選抜試験があります。
全国を見てみますと、知的障がいが軽度の生徒を対象に、一般就労に特化した取組で大変成果を上げています。しかしながら、本県にはございません。第3次計画に反映されるべきだと思いますが、この辺はどうでしょうか。
○末宗秀雄副議長 工藤教育長。
◎工藤利明教育長 今、高等支援学校について、どのような検討をしているかということでございます。
知的障がい特別支援学校の高等部というものは、生徒数の増加に伴い、今、議員御指摘のとおり、一般就労を希望する生徒が増えてきております。
こうした動向から、生徒のニーズに応じる高等部の職業教育の在り方というものの検討が必要であります。
第2次計画では、知的障がい特別支援学校高等部の職業教育の在り方については、検討を続ける課題としてあげたところであります。
別府市内の4校と同様、フォローアップ委員会から生徒の職業能力を一層向上させる必要性など、御意見を頂いておるところであります。
この高等支援学校についても、御意見をもとに次期計画の中で具体的な検討を進めていきたいと考えております。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 本年の新長期総合計画を見てみますと、知的障がいを持つ特別支援学校高等部の生徒、本県の一般就労率は、平成26年度29.1%でした。31年度には31%、36年度には33%にしたいと書いております。
しかし、高等特別支援学校のある県の学校の数字を見てみますと、鹿児島県の高等特別支援学校の一般就労率は、平成27年度で90.6%、長崎の希望が丘高等支援学校は、平成26年度で90.3%、福岡の博多高等学園の平成26年度は93.3%ということでございます。
是非、一般就労に向けて取り組んでいただきたいと思いますし、できましたら、大分市の中心地につくっていただき、県下各地から公共交通手段を使って軽度の知的障がいがある生徒たちが集い、一般就労を目指した専門的で体験的な学習を通じて社会に出ていけるような体制を築いていただきたいと思っております。何とぞよろしくお願いします。
最後に、障がいのある子どもの社会参画機会の確保について伺います。
次期計画の策定過程において、副学籍制度の検討は行われているのでしょうか。
私は、副学籍制度について、一般質問や委員会などで再三質問してきました。特別支援学校に通う子供たちが地元の小中学校で副次的な学籍を持ち、直接交流や間接交流を通じて地元の地域の皆さんとつながり、そのつながりの持続、継続を図っていこうという制度です。
私は、障がいのある人もない人もみんなを包み込んでいこうとするインクルーシブ教育のシステム、これは単に普通の学校に障がいのある子を入れるというのではなくて、やはり専門的に応える教育を行いながら、社会参画の機会を平等に与えていくことだと考えます。この辺はどのように考えているのか、お伺いします。
○末宗秀雄副議長 工藤教育長。
◎工藤利明教育長 本県では副学籍制度を導入しておりませんが、小学部で55.5%、中学部で15.1%の特別支援学校在籍児童生徒が居住地にある学校と交流及び共同学習を行っている状況であります。
平成25年度と比較してみますと、小学部で20.5ポイント、中学部で2.8ポイント増加をしており、年間5、6回程度、居住地の学校で学習をする機会がある子どももおります。
副学籍制度は、特別支援学校から教員が付き添うということが困難なために保護者の負担が増えることや、カリキュラムの調整などの課題がありますことから、現在、九州内でこれを導入している県はありません。
保護者からは、小中学校や地域での交流の拡大を求める声を多く頂いているところであります。
今の学習指導要領でも交流及び共同学習を計画的、組織的に行うこととされており、次期指導要領においても、地域社会の中でその推進を図ることは、インクルーシブ教育システムの構築につながる方策の一つとされています。
県教育委員会としては、地域や保護者の理解を推進して、障がいのある子どもたちが地域とつながり、地域の中で成長していけるように努めていきたいと思っております。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 何度も何度も言いますが、市町村主催の成人式に参加している支援学校の卒業生の姿を私たちは一体どれぐらい見てきたでしょうか。
支援学校卒業生の子供たちが成人式に行っても、懐かしい仲間に会えることができません。残念ながら地域の子供になれていません。
支援学校と地元の学校で交流事業をしているということですが、支援学校の子供たちが地元の学校に行けば、地元の子供たちは「いらっしゃい」と出迎えます。副学籍制度をやっているところは、支援学校の子供が来ると「お帰りなさい」と言ってくれるんです。地域の子供になっているんですね。
急にそこまでいかないにしても、例えば、先ほどおっしゃいました共同学習を居住地の学校で実施するという方向で教育を進めたらどうかなと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
○末宗秀雄副議長 工藤教育長。
◎工藤利明教育長 その点につきましては、先ほどもお答えをいたしましたけれども、保護者からも地域との交流をいろんな形で進めてほしいと、形としての副学籍というよりも、地域とのいろんな交流をより深めてほしいという御意見を頂いておりますので、我々もその方向にはしっかり取り組んでいきたいと考えております。
○末宗秀雄副議長 土居昌弘君。
◆土居昌弘議員 障がいのある人もない人も、共に暮らせる社会を実現していこうと私は思っていますので、それはもう考えは同じだと思っております。引き続き、協議の方をよろしくお願いいたします。
これで一般質問を終わります。ありがとうございました。