大分県議会議員 土居昌弘 大分県議会議員 土居昌弘 大分県議会議員 土居昌弘 大分県議会議員 土居昌弘

民主主義の挑戦!! 笑顔が輝き合う社会を求めて

大分県議会活動2017/09/15

平成29年第3回定例会


2017年9月15日 本会議 一般質問

  〔土居議員登壇〕(拍手)

◆土居昌弘議員 自由民主党土居昌弘、ただいまから一般質問を始めます。

 まずは、農業基盤整備について、その中でも農業農村整備事業について伺います。

 大分県農業を取り巻く環境は、大きく変化しています。高齢化・人口減少による国内消費の縮小やEPAやTPP等による経済のグローバル化の進展、さらに平成30年には、国による米政策の見直しによって生産調整が廃止されます。まさに農業の大変革のときでございます。このような中、本県でも国の動きに対応して農業施策を転換させ、水田農業の桎梏(しっこく)を解き放ち、更にもうかる農業の実現のために邁進しております。

 そこで、ある疑問が浮かびます。これまで土地改良事業、とりわけ農業農村整備事業は、水田に必要な農業用水の確保や耕作条件を改善するための水田整備など、水田農業に主眼を置いた農業基盤整備を行ってきました。今後、水田農業依存からの脱却を目指す本県においては、土地改良基盤整備の進め方も大きく方向転換するのではないでしょうか。県が進める水田農業の構造改革や大野川上流地域のような大規模な園芸団地づくりにおいて、農業農村整備事業が果たす役割が大きく変わってくると思います。これをどのように考え、どのように活用していくのか、それについてお伺いします。

  〔土居議員、対面演壇横の待機席へ移動〕

○御手洗吉生副議長 ただいまの土居昌弘君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕

◎広瀬勝貞知事 土居昌弘議員から、農業農村整備事業について御質問をいただきました。

 近年、農業農村を取り巻く状況は、一方で人口減少、他方でグローバル化など、社会構造は変化いたしまして、これに伴い国の農業施策の方も抜本的に見直されるなど、大きな転換期を迎えていると思います。議員御指摘のとおりであります。私は、こうした時期こそ、本県農業の競争力を強化し、攻めの農業を展開していくチャンスであると考えているところであります。特に平成30年産から米の生産調整が廃止されます。米への依存が高い本県では、この機を捉え、水田農業の構造改革を進めるとともに、園芸産地の生産力を強化していく必要があります。このため、その土台となる農業農村の整備に当たりましては、次の三つの視点によりまして進めていきたいと思います。

 一つは、水田の畑地化であります。

 米主体の営農体系から収益性の高い園芸品目に転換していくため、排水対策や土層改良による水田の畑地化を推進いたします。豊後高田市では、白ねぎ農家の規模拡大の要望に応えるため、水田の畑地化により約70ヘクタールの白ねぎ団地を計画しております。

 二つは、畑地の再編整備によりまして、競争力のある園芸産地をつくっていくということであります。

 区画整理による規模拡大や品質・収量の向上に向けた畑地かんがい施設の整備を推進いたします。竹田市西部地域では、こうした取組などによりまして、西日本有数の夏秋トマトの産地となっております。

 また、機械化一貫体系の普及にも取り組んで、キャベツやさといも等、露地野菜のさらなる生産拡大を進めております。

 三つに、水田農業の生産性向上によるもうかる経営体の育成にも力を入れます。

 担い手への農地集積による水田の大区画化を進めるとともに、パイプライン化や地下水位制御システム「フォアス」等、水管理の省力化に向けた整備を行って、経営規模の拡大と生産コストの低減を図ってまいります。宇佐市川部地区では、圃場整備により担い手に85%の農地を集積し、一区画が1ヘクタールを超える大区画化を進めておりまして、米60キロ当たりの生産コストは、県平均1万9,500円を大きく下回る9,400円を見込めるまでになっております。今後、消費者などの多様なニーズに柔軟に対応し、持続可能な農業農村づくりを進めていくためには、農業農村整備事業がますます重要となってまいります。その基盤をもとに、マーケットインのものづくりを進め、もうかる農業を実現してまいりたいと思っております。

○御手洗吉生副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 農業農村整備事業がますますその役割が高まって、それを活用して基盤を整備して、更にもうかる農業を実現していこうという答弁をいただきました。

 本日は、大野川上流地域の農業を真剣に考えている皆さんが大勢傍聴に来てくださっております。訂正します。精鋭の皆さんです。こういった皆さんが農業農村整備を使ってしっかりと農業をできる体制を築いていっていただきたいとお願い申し上げます。

 次に、農業水利施設保全合理化事業です。

 中山間地域が7割を占める本県においては、大小末端合わせて約6千キロの水路があり、基幹水路の64%が耐用年数を経過しています。さらに、土地改良区の管理する水路のうち約120キロが素掘り水路トンネルとなっており、それらの大部分は、洗掘や崩落が多く発生して、通水に支障を来している現状もあります。もちろん水路橋やため池も同じ状況です。幸い本県では、知事の英断により、農業農村整備事業の地元負担を軽減し、地域の農業基盤をしっかりと守っていこうとされております。

 ところがです。農業農村整備事業のうち、農業水利施設保全合理化事業は、国の予算が不足し、事業採択後に計画的な事業の進捗を図ることができない状況にあります。地域の農家の方からは、行政に対する不信の声も聞かれます。本県はどのようにして地域の農業水利施設を守っていこうとされているのか、お聞かせください。

 また、この事業は、新規採択期間が平成30年度までと聞いております。これ以降どのように対応していくのか、併せてお伺いします。

○御手洗吉生副議長 中島農林水産部長。

◎中島英司農林水産部長 農業水利施設の老朽化が進む中、農業用水を安定して確保するためには、施設の長寿命化を図っていくことが重要です。このため県では、農業水利施設保全合理化事業等の地元負担を平成26年度から独自に軽減しています。こうしたこともあり、要望地区は年々増加しており、26年度5億円であった予算を28年度には4倍強となる約23億円確保して整備を進めてきました。

 しかし、国の予算が不足する中、一部地域の要望には十分に応えられていない状況もあります。このため、施設の老朽化の度合いや農地の集積状況等を加味して優先順位を付け、また他の補助事業を活用するなど工夫しながら効果的に対策工事を進めています。本事業は、28年度に全国的な要望を受け、一度延長されており、その期間が来年度までとなっていることから、再延長について本年6月に国に要請したところです。引き続きあらゆる機会を通じて事業の存続はもとより、予算枠の拡大を強く国へ要請してまいります。

○御手洗吉生副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。事業の存続、さらには予算獲得ということで、大変厳しい状況ではございますが、是非全力を挙げて国の方に働きかけていただければなと思っております。

 次に、多面的機能の支払交付金についてです。

 地域ぐるみで良好な農村環境を守り、農業用水路などの長寿命化を図る農地・水・環境保全対策が平成19年度から始まりました。平成26年度からは、日本型直接支払制度の中、多面的機能支払交付金となり、さらに平成27年度からは法制化され、法律に基づく安定的な制度となりました。

 しかし、交付金制度を活用して農村を整備し活用していこうと取り組んだ集落では、この制度の事務処理の煩雑さなどから、取りやめていく傾向にありました。そこで、本県の多面的機能支払推進協議会では、昨年度その取り組む集落の幅を広げ、活動組織の広域化を推進して、事務処理の軽減や長寿命化取組面積の増加による維持補修範囲の拡大を図ろうとしました。その結果、今年度から竹田市を始め、五つの自治体が広域組織を立ち上げ、農村環境の整備に当たっています。

 ところがです。長寿命化の事業実施に暗雲が立ち込めています。国の予算が不足により支援が十分に受けられない、実施できないおそれが出てきております。この状況を県ではどのように考え、また農家の皆さんにどう支援していこうとされているのか、お伺いします。

○御手洗吉生副議長 中島農林水産部長。

◎中島英司農林水産部長 本事業は、農地や水路等の保全活動と水路改修等の長寿命化活動の二つの取組を行う活動組織に対しまして支援をするものでございます。本県では、その取組面積は、直近3か年で平均5%増加しており、全国的にも同様の傾向となっています。

 一方、国の予算は、ここ数年、前年同額で推移しており、結果的に国から県への配分が要望額を下回る状況が続いています。こうしたことから、活動組織への予算配分に当たっては、保全活動に満額の交付を行い、不足した分は長寿命化活動で調整するということとされております。本年度の運用改正により、同一の活動組織内であれば、一定の要件のもと、保全活動の一部を長寿命化活動費に流用することが可能となりましたので、効率的な執行を指導しているところでございます。

 また、活動組織の統合により、スケールメリットを生かして重点的に長寿命化に取り組めるよう広域化も推進してまいります。今後とも限られた予算の中で工夫するとともに、国に対しても予算の確保を強く要望してまいります。

○御手洗吉生副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 先ほど伺いました保全合理化もそうです。農家の負担が下がって、皆さんも早く手を当てないと維持できないという水路など、トンネルなど、様々なところを計画を作って、なかなかそれからが進まないという状況がございますし、長寿命化もそうです。広域化のメリットとしてうたっていて、皆さん、じゃあ広域化やろうか。しかしながら、長寿命化の部分が査定され、調整の部分に充てられる、予算が十分につかないという現状がございます。本県でも是非とも知恵を絞って独自で研究をされて、何とかしていただきたいと思いますし、引き続き国の方に要望をお願いいたします。

 次に、大分県畜産公社についてです。

 大分県畜産公社の新施設が完成して1年がたちます。昨年10月に競り取引が始まってからちょうど1年がたちますが、この間の公社の運営状況について伺います。

 昨年の12月議会で濱田洋議員もこの問題について質問をいたしました。公社への県内生産者の出荷が伸び悩んでいる原因について質問しました。それに対して、牛については、県外市場での競り取引での高い価格を期待して外に流れているのではないか。また、豚については、商社系の生産者はそもそも大分県畜産公社を利用しない傾向があるなど答えております。そして、県外購買者を誘致するとともに、肥育預託制度で増頭を図っていきたいと展望を示されました。この内容も踏まえて、これまでの運営状況をお示しください。

 また、私自身は、これらの対策も重要だと考えておりますが、と殺頭数の伸び悩みには、別の問題もあるんではないかと考えております。その問題とは、出荷や販売取引に係る手数料の問題です。生産者はこの手数料について、県外の出荷先に比べ割高に感じております。そのことから、県内の生産者は、防疫や運送経費など考えると、県内に出したいんですが、県外に出してるという状況があります。この手数料の問題について県の見解を伺うとともに、これからの公社の稼働を上げていくためにどのように取り組んでいくのか、お伺いします。

○御手洗吉生副議長 中島農林水産部長。

◎中島英司農林水産部長 運営状況についてお答えします。

 新施設稼働後1年間の集荷頭数は、牛では5,766頭と、前年同期比93.2%で減少しています。豚の方は10万7,656頭と前年同期比で横ばいの状況にございます。

 また、牛枝肉の競り取引の実績は、8月までで326頭にとどまるなど、全体として集荷が伸び悩んでいる状況でございます。このため畜産公社では、生産者の意向を反映して、7月から豚枝肉の水引率を引き下げるとともに、議員御指摘の手数料についても8月に見直し、出荷団体を介さず、直接畜産公社に出荷できるようにするなど、生産者の所得向上につながる改善を図ってきたところでございます。

 また、県の支援で、平成27年度から開始いたしました肥育牛預託制度により、集荷頭数は29年度に約290頭、30年度には約900頭増加することとなります。こうした取組により、今後集荷の拡大は確実に図られていくものと考えています。

 加えて、畜産クラスター事業による生産基盤の拡大や今回の全共、種雄牛日本一を活用してのブランド力強化に取り組むとともに、畜産公社に対しましても、魅力ある産地食肉センターとなるよう集荷対策のみならず、販売対策の強化も含めて指導してまいりたいと考えております。

○御手洗吉生副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 手数料が安くなれば、生産者の皆さんも大分県の畜産公社に出荷しようかということになると思います。是非県の畜産協会などに働きかけ、それを促していただければなと思いますし、更に公社の稼働が上がるようにお願い申し上げます。

 さて、公社の稼働率を高めようと思えば、本県の畜産の振興が大事です。今回の全国和牛能力共進会では、本県が総合の3位、そして種雄牛の部では、豊肥和牛育種組合が内閣総理大臣賞を受賞すると、まさに快挙でございますし、日本一でございます。私も会場へ見に行ったんですが、皆さんと喜びと分かち合い、恥ずかしながら男泣きもしました。それぐらい感動いたしました。

 また、私の地元竹田市は、日本一に3名、全国第2位に1名、そして三重総合高校久住校も出場し、市を挙げてお祝いをしている状況でございます。こういった状況を是非今後も和牛の振興につなげていってもらいたいと思っております。このことについて県の見解を伺います。

○御手洗吉生副議長 中島農林水産部長。

◎中島英司農林水産部長 全共の成果をいかに畜産振興につなげていくかということかと思います。

 まず、生産対策でございますけれども、今回の全共で全国的に高い評価を得た種雄牛、平福安、光星、文照福などを活用した子牛の生産、繁殖雌牛の増頭、それから肉質やおいしさの改良を積極的に進め、この大会を契機に高まる購買者のニーズに応え、子牛価格の向上につなげていきたいと思います。

 また、流通対策の方でございますけれども、肉牛の部では、全頭が優等賞に入賞いたしました。これも今回の全共の大きな収穫だと思っておりますが、これにより豊後牛の肉質の高さが広く明らかになったのではないかと思います。こうしたことで、今週末には、県内量販店で日本一フェアを開催するほか、県内外でもPRを行ってまいりたいと思います。是非皆様方にもお買い求めいただければと思います。

 さらに、今年度から取り組んでいるサポーターショップやホテル・旅館等の取扱認定店とも連携いたしまして、国内はもとより、海外に向けても販路拡大を積極的に進めてまいりたいと思います。今回の成果をおおいた豊後牛の産地の活性化やブランド力向上につながるよう、生産者や関係者が一体となって取り組んでまいりたいと思います。

○御手洗吉生副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 本当の今回の全共、出品者全てがすばらしい成績で、本当に豊後牛の名を高めたんではないかなと思っております。これから豊後牛のキャンペーン販売もあるということですので、早速買って食べたいと思いますし、さらなる消費につなげてまいりたいと思います。

 次に、公社の新施設では、一般消費者や児童生徒のために見学ルートを新設しています。安全・安心な県産食肉を幅広くPRするとともに、子どもたちに命の尊さ、これを教える機会だということで取り組んでおりますが、その施設内の見学実績をお示しください。

○御手洗吉生副議長 中島農林水産部長。

◎中島英司農林水産部長 見学実績でございますけれども、本年8月までに68団体833名を受け入れており、このうち消費者団体や学校関係者が14団体247名と3割を占めております。安全・安心な県産食肉のPRや食育の場として活用されているところでございます。見学者からは、夏休みの体験学習で初めて見学したけれども、命の大切さを学ぶよい機会となったでありますとか、最新の施設で衛生的に食肉が処理されているところがよく分かったというような声が寄せられております。引き続き県内小学校等に周知いたしまして、社会見学等での活用を呼びかけてまいりたいと思います。

○御手洗吉生副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 その数でいいのかどうかというところは大いに問題があると思いますし、まだまだ伸ばしていかないとと思っております。

 実は、先日竹田市の佐藤義美記念館の名誉館長でおります稗田宰子先生という方が亡くなりました。この方は、佐藤義美先生のお弟子さんでして、自費で佐藤義美会館を建てた方です。その建てるときに、用地が見つからず苦労していたんですが、山手のと殺場の跡、そこがあるということを聞いて、市の行政の方が相談したところ、大変うれしいと。私たちのために命がなくなっている場所、それをしっかりと子どもたちに伝えていく使命があると。是非ともここに建てさせてくださいということで、佐藤義美会館が今のところに建っております。こういったことを是非子どもたちにも伝えていっていただきたいと願っております。

 見学施設を見ますと、まだまだ物足りない、改善すべきかなと思う点もたくさんございます。そういったことをまた引き続き協議をいたしまして、公社の方に伝えていただければなと思います。よろしくお願いいたします。

 次に、児童虐待について伺います。

 県がまとめた昨年度の児童虐待相談件数は814件と、統計が始まって以来最多となっております。私は、平成27年第4回定例会で児童虐待について質問し、虐待防止を実現するための県の施策を確認しました。知事は、まだ周囲に気付かれていない隠れた虐待もあるんではないかと心配され、関係機関の連携を強化することにより発見していきたいと答弁されました。今回の814件という児童虐待相談件数は、もちろん虐待自体の増加によるものも考えられますが、県のこのような取組により、早期発見のため、アンテナが伸びていることによるものではないかとも考えらます。

 そこで知事に伺います。

 県がまとめた今回の数字をどう分析し、さらなる児童虐待防止につなげていくためにどのような取組を実施していこうとしているのか、お聞かせください。

 また、児童虐待防止を実現していこうとすれば、関係機関の連携が重要で、中でも県に更に力を傾注してもらいたいものが、要保護児童対策地域協議会の運営体制の強化です。市町村設置のこの協議会の連携力を高め、児童周辺の問題を解決していくには、この調整機関に児童福祉司の資格を持つ専門職の配置が必要であり、関係機関相互の連携や役割分担の調整を責任を持って行える体制を構築することが望ましいと考えますが、併せて見解を伺います。

○御手洗吉生副議長 広瀬知事。

◎広瀬勝貞知事 児童虐待対策について御質問いただきました。

 平成23年でしたけれども、別府市で発生しました虐待死亡事件を忘れるわけにはいきません。それ以降、非常にこの問題には力を入れて取り組んできたつもりでございます。児童虐待は、抵抗できない子どもの人格を深く傷つける。そしてその成長に大きな影響を及ぼすばかりか、時として命を奪うというものでありまして、断じてあってはならないと思っております。平成28年度の児童虐待相談件数は814件で、過去最高となりましたけれども、中でも家庭での配偶者に対する暴力を子どもが目撃する面前DVを含む心理的な虐待が458件と、全体の半数以上を占めておりまして、その多くは、警察からの通告によるものであります。そのほか、学校や医療機関からの通告も増えていることから、これまでの関係機関に対する研修やあるいは虐待対応マニュアルの周知徹底などの取組によりまして、関係者の意識が一層高まったことも要因だと考えております。県では、児童虐待の未然防止のため、24時間365日の「いつでも子育てほっとライン」を設置いたしまして、保護者の育児不安や孤立を早期に解消するなど、効果を上げております。

 加えて、産科・小児科医等と市町村の連携によりまして、妊娠期からケアを必要とする妊婦の早期発見に努め、出産以降も切れ目のない支援を強化しております。

 また、被害の拡大防止のために早期発見・早期対応に努めるとともに、再発防止のため、児童相談所による親への個別指導や重大事例に係る外部有識者による検証等を行いまして、対応力の強化を図っているところであります。

 次に、市町村におきましては、あの痛ましい別府の事件以来、危機感を持って活動をしている要保護児童対策地域協議会が、関係機関の連携のため、大変重要な役割を果たしていただいております。昨年の児童福祉法改正におきまして、この協議会の事務局には専門職が必要とされまして、現在9市が児童福祉司の資格を有する者を、その他の市町では保健師・保育士等を配置しております。今後、多くの市町村で児童福祉司有資格者を配置できるように、財政支援を含めて国へも要望していきたいと思っております。県では、協議会の機能強化を支援するために、専門性向上のための研修だとか、毎月開催される実務者会議への児童相談所職員の派遣だとか、できるだけきめ細かくしっかりと対応をしているところであります。少子化の時代にあって生まれてきた子どもを慈しみ、健やかに育てるということは、社会全体の責務であります。今後とも児童虐待防止に向けて全力で取り組んでいきたいと思います。

○御手洗吉生副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。知事の決意も伝わってまいりました。

 要対協の件ですけども、是非とも全ての市町村に専門職の人員がつけるように、またさらには、人材育成で研修を通してきっちりとした要ができて、関係機関が連携できる体制、そして連携しているところがそれぞれ責任持ってそれに取り組める体制を築いていっていただきたいと思います。

 また、児童相談所ですけども、今ケースワーカーは、おかげさまで人員増というようなことで配置されておりますが、現状を見ますと、まだまだ足りないんではないか。やはり市町村から個別対応を求めると、なかなかつかまらないというか、大変厳しい状況があります。実際ケースワーカーは飛び回っておりますので、その辺も改善していただければなと思っております。お願いを申し上げて、次の質問に入りたいと思います。

 高等特別支援学校についてです。

 本年第1回の定例会の一般質問で、来年度からの5年間を計画期間とする第3次特別支援教育推進計画について教育長に伺いました。

 また、昨日も尾島議員が同様の質問をされましたが、私はその中でも1点に絞って今回聞きたいと思っております。

 私は、前回の質問の中で、軽度の知的障がいのある生徒が集い、一般就労を目指した専門的な体験的な学習が行われる高等特別支援学校、この設置について是非計画に盛り込み、早急に取組を進めていただきたいとお願いいたしたところでございます。あれから6か月たちましたが、計画もかなり具体化してきておると思います。調べたところ、鹿児島県では、高等特別支援学校が開設された平成24年度の一般就労率は17.7%でしたが、この学校が卒業生を輩出するようになってから30%を超えています。知的障がい者の一般就労に向け、他県で大きな成果を上げている高等特別支援学校は、県が目指している障がい者雇用率日本一に大きく寄与することは間違いありません。このような状況を踏まえ、本県においても高等特別支援学校を早期に開設すべきだと考えますが、教育委員会の見解を伺います。

○御手洗吉生副議長 工藤教育長。

◎工藤利明教育長 高等特別支援学校についてお答えをいたします。

 本県の知的障がい特別支援学校高等部の在籍者数は年々増加して、昨年度は、知的障がいが軽度とされる療育手帳B2の取得者が全体の半分を占めております。

 また、その多くが一般就労を目指しております。現在の推進計画に係るフォローアップ委員会からは、一般就労を希望する生徒の職業能力向上と進路希望達成につながる教育が必要との意見が出されております。障がい者雇用率日本一を目指す県の長期教育計画では、36年度に一般就労率33%を目標に掲げて、就労支援アドバイザー8名を配置するなど、就労支援の強化を図っているところであります。

 28年度の一般就労率を見ますと、前年度から4.3%アップをしておりまして、29.1%となったものの、27年度の全国平均32.1%にはまだ届いていない状況であります。九州で高等特別支援学校を設置している県の一般就労率は、全国平均近くかそれ以上であって、熊本は45%を超えております。本県教育長計の理念であります全ての子どもたちに力と意欲を身に付けさせる多様な学びの場の一つとして、高等特別支援学校について次期計画の策定作業の中で方向性を定めていきたいと考えております。

○御手洗吉生副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 計画の中で取り組んでいくということでございます。是非とも早期に開設していただきたいと願っております。そうすることによりまして、大分市や別府市などで今現状を見ますと、支援学校、とても子どもたちが多い状況にございます。満杯でございます。その緩和にもつながるんではないかなと思っておりますし、また支援学校の教育を見てみましても、一般就労、これ真剣に取り組んでおります、高等部では。ですが、こういうこともあります。一般就労、A型の就労、これ含めて数値目標を掲げ、一生懸命就職に就職にと頑張っていますが、片方でどうしてもそれができない重度の子どもたちもいます。重度の障がいを持った子どもたちはどうすればいいのか。実は疎外感も感じているんではないかなと思っております。実際保護者の方からそういう話を聞いたこともあります。ですので、きっちりと一般就労、A型就労、そういったところが取り組める施設と、そして私は福祉的な労働も立派な労働だと思っております。そういった部分も取り組める学校、こういう互いの専門性を高めて、それぞれが高めていってもらいたいと思っておりますので、どうぞ何とぞよろしくお願いいたします。

 それでは、最後の質問に入ります。

 まず、地域包括ケアシステムの中の在宅医療についてです。

 誰もが住み慣れた地域で安心して自分らしく暮らし続けることができるよう、本県では地域包括ケアシステムの構築を推進しています。

 そこで、今回の一般質問では、在宅医療についての県の取組とその方向性について伺います。

 在宅医療は、地域包括ケアシステム構築の重要な柱であります。退院時の支援、日常の療養支援、急変時対応、看取りの観点から、訪問診療や訪問看護の推進、在宅歯科診療の推進など、在宅医療の充実が求められ、本県も在宅医療の推進には取り組んでおります。

 そこで、本県の在宅医療の現状とそして今後の方向性についてお伺いします。

○御手洗吉生副議長 長谷尾福祉保健部長。

◎長谷尾雅通福祉保健部長 在宅医療につきましてお答えいたします。

 県内医療機関を対象とした在宅医療実施状況調査をやっておりますけども、回答のあった767施設のうち、343施設で訪問診療を実施しております。その中で在宅医療を担う医師や看護師など、専門職のマンパワー不足や医療と介護の連携が不十分である、あるいは患者や家族の理解促進が必要などの課題が多く挙げられております。

 一方、県民への在宅医療に関する意識調査では、経済的な負担が71%、訪問診療可能な医師の情報がないというのが63%、在宅で受けられる医療サービスが不明というのが51%等となっておりまして、今後県民への普及啓発が必要と考えております。このようなことから、県では在宅医療の要となる医師や訪問看護師の育成、訪問看護ステーションの整備に加え、県民への在宅医療の理解促進のためのフォーラム開催など、普及啓発を推進していきます。特に多くの在宅患者は、医療と介護を併用していることから、今以上に医療・介護の一体的な提供体制の構築に努めてまいります。

○御手洗吉生副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 医療・介護を一体化して、在宅医療を推進していきたいという答弁をいただきました。

 ですが、大分県の在宅医療を見てみますと、当然のことながら、まだまだ初期の段階ではないかなと思っております。本当に県民の理解がされておりませんですし、今後どのようにしていくかという問題がございます。

 そこで、大きな在宅医療の柱を組んで、その柱から皆さんが汗をかいて取り組んでいくということで、例えば大分県の在宅医療推進協議会のようなものをつくってみんなで協議をして、その方向で進んでいくということはどうでしょうか。

○御手洗吉生副議長 長谷尾福祉保健部長。

◎長谷尾雅通福祉保健部長 ありがたい指摘でございます。

 本県では、実は24年度に大分県在宅医療連絡協議会というものを設置いたしております。これは、様々なお立場の先生方の意見を聞くためのものでございまして、入院医療と在宅医療を同時に実施するお医者さん、あるいは在宅医療を専任でやるお医者さん、こういった方々も入れまして、それに加えて老人保健施設、老人福祉施設などの施設等が入っております。いろんな方で構成いたしておりまして、今年度も実は先月8日に開催をいたしまして、在宅医療の現状課題などにつきまして意見をいただいたところでございます。議員の御指摘のように、こういったものを核にして、更に議論を進化させていきたいと思っております。

○御手洗吉生副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 連絡協議会があるということで、更にそれにしっかりと協議を重ね、深くして、そして在宅医療が実現するように取り組んでいただきたいと思います。

 また、先ほど挙げられました様々な在宅医療を実現していくための事業がございました。例えば、訪問看護ステーションの新設や支援ですが、これは熊本県では、中山間地域の小規模訪問看護ステーションへその経営を支援するために、運営費の助成をしております。

 また、訪問看護師の育成については、福岡県が一般病院の看護師を研修として訪問看護ステーションに受け入れ、在宅医療をイメージしやすいようにしていると。引継ぎをしやすいようにしている。

 また、地域で暮らす人々の口腔ケアですが、熊本県では、歯科医師会と連携して、全ての市町村に訪問歯科支援診療所をつくるため、それに必要な診療機材を整備しております。

 また、退院から在宅医療への円滑な移行が必要ですので、栃木県では、基幹病院で地域医療連携クリティカルパスという診療計画表をつくって、退院するときに一緒に持っていってもらうとなっております。当然県が進める在宅医療の中で回復期病床の整備などをやっておりますが、これも大事です。ですが、私は、在宅医療の現場もとても大事だと思いますし、是非ともこういうことをされたらどうかなと思っております。

 厚生労働省の医療施設調査では、本県の訪問診療の実施件数は増加しておりますが、全国と比較すると、その伸び率は極めて小さいんです。ですので、こういった事業を是非とも事業化していただきたいなと思うんですが、そういう方向性についてお伺いします。

○御手洗吉生副議長 長谷尾福祉保健部長。

◎長谷尾雅通福祉保健部長 今議員から御紹介ございました訪問看護ステーション、訪問看護師の育成等でございますけども、一つは、私どもでは今訪問看護ステーションは都市部に集中いたしておりますので、そういったところが郊外といいますか、町村部にサテライトを出したらどうかということで、そういったものへの支援をやっております。

 また、訪問看護師のスキルアップ研修等もやっておりますけども、先ほどの歯科診療の話につきましても、ポータブルの器具を県で整備して貸与するという方式もやっております。

 一方、クリティカルパスですが、私ども六つの保健所がございますけども、昨年度までに全保健所で、入院時から退院時の在宅復帰を見据えた、お医者さんが書くいわゆる連絡票、いろんなケースを書いておりますけども、そういったものを作成するということで、今統一化を進めております。退院するときの患者さんはそれを持って地域に戻っていくことで、いろんな関係機関との情報共有を進めているということでございます。そういった取組も御理解を賜りたいと思います。

○御手洗吉生副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 それぞれの事業をそれぞれでやっているということですが、まだまだ量も少ないし、力ももっと入れていただきたいと思っている次第です。

 実際のところ、例えば県病から竹田の医師会病院に来て、それから家に帰るというところで、とても連携がうまくいってない状況があります。多分県下の状況、同じようなものではないかなと思っております。県病の地域連携室とそれぞれの市町村の地域連携室、病院と、どのようにつなげていくのか。

 また、そこでどのように在宅に持っていくのかというところも重要です。在宅に持っていくということは、在宅で医療ができる体制、看護にしろ福祉にしろ行政にしろ、様々な連携ができてからそれは可能になるので、それを構築していく必要があると私は思っております。いずれにしましても県下の地域包括ケアシステムを見てみますと、やはりここの部分が少しまだ物足りないなと私は感じているところでございますので、更に力を傾注するようお願い申し上げ、次の質問に参りたいと思います。

 最後に、自宅での看取りについてです。

 かつての日本人は、畳の上で死にたいと願い、自宅の居間で家族、親類に見守られ亡くなっていっていました。

 しかし、今の社会に生きる私たちには、そのようなことは想像できません。当然のように病院で息を引き取るということをイメージしておりますが、国は高齢化の進展により、死亡者数の増加に伴い、2030年には47万人の看取りの場が不足すると見通しを示しております。このようなことを考えると、医療や介護が必要になったとしても、住み慣れた自宅で療養生活を送ることができ、自宅において安心して最期のときが迎えられるように自宅での看取り体制を整備しなければならないのではないかと思っております。見解を伺います。

○御手洗吉生副議長 長谷尾福祉保健部長。

◎長谷尾雅通福祉保健部長 自宅での看取りでございます。

 まず、県が実施いたしました在宅医療に関する県民意識調査というのがございます。その中で人生の最期を迎えたい場所として、自宅が40%、医療機関が32%、特別養護老人ホームなどの介護施設が7%との回答が得られております。

 一方、御自身が自宅で療養が可能かという問いに対しましては、困難であるとの回答が53%あり、その理由は、家族に負担がかかる、あるいは急変時の対応に不安がある、そして経済的負担が大きいなどがあげられました。このように人生の最期をどこで迎えるかは、本人の容体もさることながら、家族の状況あるいは居住環境、経済状況など、様々な状況が総合的に勘案され決定されていくものではないかと考えております。まずは、住み慣れた地域で安心して生活を続けてもらうために、地域包括ケアシステムを推進し、切れ目のない医療と介護を提供していくことが大事だろうと思っております。

○御手洗吉生副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 今私自身もアンケート調査で、実際どこで死ぬのがいいのかと問われれば、やはり病院でと答えます。そうではない選択肢もこれから見せていく必要があるんではないかと思っております。

 平成27年度に本県北部圏域において、在宅医療・介護の住民意識調査が実施されております。それを見ますと、死期が迫っていると告げられた場合の療養生活をどこで送りたいかということで問うと、64%の人が自宅でと答えていますが、しかし一方で、平成27年度の人口動態調査で、人がどこで亡くなっているのかを見ると、大分県は自宅で亡くなっている人の率が8.1%で、全国で最低でございます。ちなみに県内の市を見てみますと、最低は4.5%で竹田市でございます。つまり自宅で療養したい、生活の場の中で死んでいきたいと望んでいるが、現実はそうなっていません。これは先の質問のケアシステムの問題もあるんでしょうが、県民の在宅での医療や看取り、これが想像できてない状況があると、私は思っております。これをどのように啓発していくかということで、例えば県下には、佐伯の長陽会にもいらっしゃいますが、看取り士という方がいらっしゃいます。

 また、在宅で医療をしている先生方もいらっしゃいます。こういった方々を活用して、啓発をしていっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○御手洗吉生副議長 長谷尾福祉保健部長。

◎長谷尾雅通福祉保健部長 今の御指摘ございましたように、県民の在宅医療とか看取りというのは、更に理解が必要だろうと思っております。そのため在宅医療や看取りをテーマにしたフォーラムを開催いたしております。今年は10月27日に開催しますけども、そういった中で医療・介護者に対する研修も併せて重ねながら、県民への意識啓発や環境づくりにも努めていけたらと思っております。そういった中で、議員から御指摘があった看取り士であるとか、専門家の方々をうまく入れ込んでやっていければと思います。

○御手洗吉生副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 日本の医療は、治療を徹底的に追求してきました。病気と闘い、そして最後は死とも闘うと。その結果、死を迎える舞台は病院となっています。医療側は一分一秒でも長生きさせる延命治療までして当然で、それが不要になっても、終了できない環境ができ上がり、その中で様々な管につながれ、スパゲッティ症候群という言葉にもなりましたが、そういう状態で亡くなっていく状況があります。

 一方で、家族の方も、終末期で点滴が不要になっても、何もせずに看取るのは心が痛むということで、せめて点滴ぐらいはとお願いをしている現状もございます。私は、ここで家族の皆さんに、患者本人の価値観に照らして本人らしい人生の終え方に貢献していくという選択肢も示していくべきだと思っております。病院に家族の死を任せるのも一つの選択肢ですが、そうではなくて、地域で看取っていくという、今失いかけている選択肢を示していく必要があると考えます。老老介護の方も身寄りのないひとり暮らしの方もこれができる体制を築いていっていただきたいと願っております。

 熊本県では、家族での看取り方を示した看取り手引書を作成しておりますし、福岡県では、患者が病院でやっぱり家に帰りたいと言ったとき、大丈夫帰ってきてと答えられる体制を地域で作ろうと、県民を対象にした在宅ホスピスボランティア養成講座を実施しております。看取りの現場を病院から地域へ、自宅へと取り戻していくためには、こういったものが必要だと思ってるんですが、ここに焦点を当てた啓発事業、いかがでしょうか。

○御手洗吉生副議長 長谷尾福祉保健部長。

◎長谷尾雅通福祉保健部長 様々な御指摘をいただきました。

 まずは、在宅医療というのは、かかりつけ医といいますか、地域のお医者さんとの関係というのが一番大事になるわけでございます。そういった場合に、在宅療養を担う人材育成というのは当然必要でございまして、そういった医療・介護従事者に対する看取りを含めた研修などを今重ねております。今御指摘いただいたようなものも参考にして、今後いろいろ検討を進めてまいりたいと思います。

○御手洗吉生副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。よろしく検討をお願いします。

 病院は死ぬところではありません。医療を尽くして家に帰すところです。自分の暮らしの中で自らの死という人生の最大の出来事に向かっていきながら、鎮痛剤より好みの地酒を飲み、輸血より家のみそ汁を吸った方がいいという方もいらっしゃると思います。

 また、映画「おくりびと」のもとなった小説「納棺夫日記」の作者青木新門さんはこう言っています。「ある中学生が祖父の死の直前3日間を振り返り、ドラマで人が死ぬときは大げさだなと思っていました。しかし、亡くなっていくおじいさんのそばにいて涙が止まらず、命の本当の大切さが分かりましたと書いてあるのを読んで、自分自身もこの祖父のような死に姿でありたいと。若い人の死生観、人生観を揺さぶるような姿を見せ、子や孫の心を育てることが、我々高齢者の最大な役目であり、最後の仕事だ」と言っております。

 人には自分の大切な家族が亡くなっていく過程に参加していくことで、人として成長していく力があります。また、亡くなる人も残される人に大切なものを残していく力があります。看取る力と逝く力です。改めてここで明言しますが、看取りとは医療ではなくて、文化であり、生命倫理の現場だと私は考えております。この看取りを豊かにすることで、これらの力を伸ばしていけると、私は確信しております。

 大分県は今健康寿命を延ばすことに一生懸命です。もちろんそれは大事ですが、残りの人生、予後余命も大事です。そこも大事にしながら、大分県福祉施策を進めていただけますようお願い申し上げ、一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)