大分県議会活動

平成26年第3回定例会


2014年9月11日 本会議 一般質問

〔土居議員登壇〕(拍手)

◆土居昌弘議員

皆さん、おはようございます。六番、土居昌弘、ただいまから一般質問を始めます。

まず、高齢者福祉についてです。

県民の四人に一人が六十五歳以上の高齢者となっている本県、中でも、地元の竹田市、実は、昨年の九月末現在で高齢化率は四二・三%です。もちろん、県内一、そして、全国でもトップクラスであります。

このような長寿社会、重要なことは、高齢者の方々がどのようにして暮らしているのか、とりわけ、どれぐらいのお年寄りが元気で住みなれた地元で暮らしているのかということであります。

県では、平成二十四年三月に、五期目となる「豊の国ゴールドプラン21」を策定し、誰もが豊かな高齢期を迎えられる地域社会の実現を目指して、さまざまな施策を実施することになっております。

では、ここで、人口動態調査と国勢調査から導かれる大分県の平均寿命を見てみます。男性が八十・〇六歳で全国八位、女性は八十六・九一歳で九位となっており、伸び率では男性が全国で五位、そして女性は何と全国トップクラスの二位であります。数字の面では、本県の高齢者福祉施策の方向性が間違っていないことがうかがえます。

一方、国民生活基礎調査をもとに算出された健康寿命、つまり、日常生活に制限なく、健康で暮らしていける期間ですが、本県の平均健康寿命は、男性が六十九・八五歳、全国三十九位の低位にとまっております。平均寿命からこの健康寿命を差し引いた、いわば何らかの障害を有する期間は十・二九年と、何と全国ワースト一位であります。ちなみに、女性の健康寿命は七十三・一九歳で全国三十四位、障害期間の長さは十三・八九歳で全国ワースト三位ということで、男性とほぼ同様の傾向が見られます。

中でも、私が注目しているのは、竹田、豊後大野、両市とも障害期間が県平均よりも長く、豊肥地区が県全体の障害期間を延ばす結果となっています。

私は、この課題を次期ゴールドプランの中で明確に掲げ、いかにしてこの障害期間の短縮を図り、健康寿命を延ばしていくか、ここに思い切った対策を打つべきではないかと考えております。現状認識と今後講じ得る対策について、また、それを踏まえ今後の高齢者福祉のあり方について、知事のご見解をお伺いします。

〔土居議員、対面演壇横の待機席へ移動〕

○近藤和義議長 ただいまの土居昌弘君の質問に対する答弁を求めます。 広瀬知事。

〔広瀬知事登壇〕

◎広瀬勝貞知事 ただいま土居昌弘議員には、高齢者の福祉、特に高齢者の平均寿命と健康寿命を挙げてご心配をいただきました。

議員ご指摘のとおり、本県の平均寿命は男女とも全国十位以内となっております。しかしながら、健康寿命の方は男女とも三十位台ということでございます。

一方、昨年実施いたしました県民アンケートでは、幸福感を判断する際の重要項目として、健康状況を挙げる方が五六・六%と最も多くなっております。

まさに、健康寿命を延伸し、健やかに暮らすことが県民の願いでありまして、その実現が県にとって大変重要な課題であるというふうに認識しています。

このため、まず、県民一人一人が、高齢期にかかわらず、青壮年期から健康の維持、増進に努めることが大変大事であります。

県では、「第二次生涯健康県おおいた21」に基づきまして、減塩三グラム、野菜摂取三百五十グラム、プラス千五百歩の運動を掲げまして、食生活の改善や運動習慣の定着を図るとともに、生活習慣病の重症化予防や、家庭、地域、職場など社会全体で個人の健康づくりを支援する環境づくりにも取り組んでいるところであります。

竹田市では、暮らしのサポートセンター・久住「りんどう」を立ち上げていただいて、要支援者等を対象に、栄養改善教室や認知症予防運動などに積極的に取り組んでおられます。また、豊後大野市では、身体や口腔機能等の向上を目指す「げんき学校」の開催や、生活機能の維持向上に向けた作業療法士などによる訪問指導の実施など介護予防に意欲的に取り組んでおられます。

加えて、県では、身体機能の低下した高齢者が、元気で自立した生活を取り戻すことができるように、自立支援型のケアプランを策定していくための地域ケア会議の取り組みを支援しております。また、介護サービス事業所向けの生活機能向上支援マニュアルの作成や、高齢者が気軽にできる体操の普及などにも努めています。

さらに、高齢者が、豊かな知識や経験を生かし、生きがいを持って社会参加することも大切であると思います。

このため、「おおいたシニアリーダーカレッジ」を開催するなど、地域活動の担い手となる高齢者を養成しております。また、先ほどの竹田市「りんどう」では、健康づくり教室に参加した高齢者の中から、生活支援サービスなどの新たな担い手があらわれるなど、住民相互の支え合いも始まっているところであります。

現在、地域包括ケアシステムの構築に向けた「第六期豊の国ゴールドプラン21」を策定中でありますけれども、健康づくりと介護予防の推進、そして、生きがいづくりと社会参加の推進を重点施策に位置づけて、高齢者が住みなれた地域で、いつまでも元気に暮らせる地域づくりを目指してまいりたいというふうに考えております。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

県の方向性はよくわかりました。

ですので、ちょっと細かい方向性についてではなくて、手段というか、方法について伺いたいと思います。

九月七日の日曜日には、竹田市で初めて、いきいき健康フェスタが開催されて、多くの市民が健康寿命を延ばそうと一緒に考え、一緒に体を動かし、学んだことを習慣にしていこうとしていました。

また、豊後竹田駅前の商店街では、おしゃべりサロンを夜間開いて、商店街の商店主などが集い、健康づくりに励んでいます。一般的にこのようなサロンは、昼間に農村部の集落で開かれるもので、商店街での取り組みは珍しいです。すばらしい取り組みだと私は感じております。

県は、このような県下のよい事例を集めて、それぞれの自治体に発信し、それを参考にして、役所や県民が自主性、主体性を発揮して、自助、互助の力で健康づくりをしていこうという取り組みを広めていかなければならないんではないかなと思っております。この辺のところを平原部長にお伺いします。

○近藤和義議長 平原福祉保健部長。

◎平原健史福祉保健部長 お答えいたします。

ご指摘の点につきましては、大変大事なことだというふうに思っております。

今、議員の方から、竹田市の事例についてもご紹介いただきましたが、県では、竹田市や豊後大野市のほか、地域包括ケアシステムモデル市としての豊後高田市や杵築市の事例など、県下各地域の介護予防や健康づくりの取り組みが進められておりますことから、こうした事例について、他県の事例も含めて、これまでも担当者会議や研修会等を通じて市町村へ情報提供をしてきたところであります。

また、今年度からは、新たに介護予防体操を地域で普及させるためのアドバイザーの派遣も始めたところでありまして、今後とも、こうした取り組みを通じまして、各市町村における健康寿命の延伸に向けた取り組みを支援してまいりたいと思います。
以上でございます。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

一人ではできないかもしれないことが、みんなとならできるかもしれません。できたら、より身近な関係の人がいいです。個人に諭していくということも大事ですが、地域での取り組みをさらに磨き上げて広めていくことも大事ですので、今後も健康寿命の延伸政策について、力を奮っていただければなと思っております。

次に、起業支援について質問いたします。

我が国では、国内で営業活動を行う事業所のうち、新たに開業した事業所の割合を示す開業率が四・六%と、諸外国に比べて著しく低く、このことは国内における産業の新陳代謝が進んでいないことをあらわします。

国内における新たな事業展開のしやすさを示す起業環境ランキングを見ても、日本は世界第百二十位に低迷しており、地域経済の活性化のためには、起業環境の改善が不可欠であると考えられます。

こういった状況を改善するため、政府は昨年の成長戦略において、国内の開業率を欧米並みの一〇%に引き上げる目標を定めました。

県内でも、特に各市周辺部では過疎化の進行による市場の縮小やデフレなどにより、不況が長引き、地域の活性化も失われつつあるのではないかなと危惧しております。

地域経済の一角を担ってきたはずの会社にも、廃業が相次ぎ、新たに開業する事業者の数を大きく上回っているのが現状です。例えば、竹田商工会議所の会員の中を見てみましても、平成二十一年度から二十四年度までの間において、開業数は四十一件であったのに対し、廃業数は七十二社に上っております。着実に地域の商店が消えていくとともに、当然のことながら、働く場所もなくなってきています。

県内全体でも、平成十八年から二十一年の事業者の平均開業率は二・七%で、九州では長崎県の二・五%に続いて、低い方から二番目、一方、廃業率は六・四%と、福岡県に次いで二番目の高さを示しており、この状況を何とか打開していかなければなりません。私は、特に、周辺地域の経済活性化を考えたときに、起業リスクを最小限に抑えられるような、いわば小さな起業ができる環境を整備することが大事ではないかなと思っております。

そこで伺います。

まず、起業に対する県の支援体制と支援の現状をお示しください。

あわせて、県として、小さな起業がしやすい環境を整備するためには、どういった施策が有効と考えているのか、そして、今後どのように取り組んでいくのかについて、知事のご見解をお聞かせください。

○近藤和義議長 広瀬知事。

◎広瀬勝貞知事 起業の支援についてご質問をいただきました。

起業、創業は、社会にイノベーションをもたらして、新しい雇用を創出する重要な要素だと思っております。短期間に業容を拡大するベンチャーや、まとまった雇用の受け皿となるビジネスなど、創業の形はさまざまだと思います。その中で小さな創業は、チャレンジの裾野を拡大する大事な存在でありまして、人口減少社会で地域に幅広く雇用機会をつくっていくという観点からも、大変重要な役割を担っているというふうに思っております。

県では、創業の裾野を拡大しようということで、「スタートアップ一〇〇〇」を目標に掲げまして、支援機関と連携しながら、セミナーを通じた創業者の掘り起こしや、国の補助金を活用した支援などを行ってきたところであります。支援件数は、二十四年度が三百四件、二十五年度は四百二十四件と、目標を上回る実績を上げております。

小さな創業を今後さらに活発化するためには、創業希望者が具体的な準備作業に入るきっかけづくりと、創業時のリスクの低減という二つの視点に立った環境整備が必要だというふうに思います。

一つ目のきっかけづくりにつきましては、誰かに相談しながら、自分にもできるという自信を育む仕組みが不可欠であります。

創業を漠然と考えている方を対象とするセミナーを開きまして、支援機関に加えて先輩経営者をネットワーク化して、気軽に相談できる体制を整えているところであります。

二つ目に、創業時のリスクを認識してもらって、そのリスクの低減を支援する仕組みも大事だと思います。

まず重要なのは、収益と借り入れのバランスなどを捉えた事業計画の磨き上げでありますけれども、ここでも先輩経営者が大きな役割を果たします。県が民間に委託した創業準備セミナーでは、女性経営者グループが受講者のプランの具体化をサポートし、多くの創業が実現しました。こうした民間のサポート力は、今後も大いに活用していきたいと考えております。

また、地域の行政や商工団体によるきめ細かな支援も創業のハードルを下げる有効な手段だと思っております。竹田市で菓子の製造やレストラン経営を行う「あじさい加工所」では、補助金の活用や法人化の際に、市や支援機関の丁寧な助言を受けて、創業を実現したところであります。本年一月に施行された産業競争力強化法では、市町村による創業支援の取り組みを強化する制度が創設されましたけれども、同法に基づく事業実施機関として県内市町村が認定を取得できるよう、県も強力にバックアップをしていきたいと思っております。

さらに、地域の農産品を活用した創業など少額の資金調達につきましては、県の地域資源補助金を活用するほか、インターネットで広く資金を募るクラウドファンディング等の新たな手法も提案してまいります。

このように、順次ステップアップできる環境を整えて、創業しやすい大分県を実現してまいりたいというふうに思っております。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

「中小企業白書二〇一四」では、第二章に起業・創業、第三章に事業承継・廃業が充てられています。これを、商店街がシャッター商店街と呼ばれる現状をどのように改善していくかという視点で読んでみますと、現状分析として、廃業もやむを得ないと考えている経営者の七割が、事業承継を検討することなく廃業やむなしという考えに至っていることが見えてきます。当然のことながら、その店舗の今後の活用も考えていません。こうした現状を踏まえてみれば、対策として、今後の商店街のあり方を考えて、廃業に際しては、民間、公的支援機関を問わず、相談できる体制が必要です。先ほど知事も答弁されましたが、それが各地に必要だと私は感じています。

また、白書によれば、起業に関しても、「相談する相手はいなかった」と答える起業家の割合が最も多いんです。

つまり、起業率を高めていこうと思えば、この相談体制を早期に構築して、廃業する人、開業する人の相談に乗り、問題を解決できるように導き、また、ケースによれば、廃業と開業をマッチングしたりする機能を発揮していくことが大事ではないでしょうか。この辺につきまして、西山商工労働部長にお伺いします。

○近藤和義議長 西山商工労働部長。

◎西山英将商工労働部長

ただいま議員から、商店街の廃業と、そしてまた起業される方とのマッチング、あるいは相談体制について、白書を引きながらご質問いただきました。

まず、各地域における起業相談、特に各地域でございますけれども、そのコアというか、核になりますのは、やはり商工会議所でありましたり、商工会の経営指導員の方々というふうになろうかと思います。他方で、空き店舗対策は、現時点、商店街振興組合や、そして市町村が中心となって、その役割を担っていらっしゃるというふうに考えております。

こうした創業と空き店舗対策に対する商工団体、商店街、行政のそれぞれの情報共有をしっかり進めていくということが、今、議員がおっしゃられた問題意識の解決につながっていくのではないかと思っています。

こうした観点からしますと、竹田市の商店街、竹田市は、先進的な取り組みが進められているのではないかと我々は考えております。情感あるまちづくりに、こうした工芸家や芸術家とともに、地域資源を活用したレストランや居酒屋、そして、食品製造販売などの数多くの移住創業者が出てきているということであります。また、地域おこし協力隊からの創業希望者も多数いるというふうに伺っております。

そして、商工会議所が空き店舗情報を持って紹介するほか、相談や交流機能を持った市の施設も市街地に昨年発足するなど、商店街への移住や創業の可能性、環境整備は、他の地域に先んじて進んでいる地域ではないかなというふうに我々は考えております。

こうした地域における商店街の創業を加速できますように、私どもとしても、現場に近い商工会や商工会議所、商店街などの機関が相互に情報共有と発信ができるよう、そういう充実に向けまして、そうした連携強化を側面からしっかり支援できるように対応してまいりたいというふうに考えています。以上です。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

まさにおっしゃるとおりで、商工会議所や商工会、そして市町村行政との情報の共有化、そして、その上で空き店舗をどのように活用していくかとか、廃業もしくは開業の相談に乗っていくかというところはとても大切になってきますので、その辺、バックアップの方、よろしくお願いいたします。

次に参ります。

高校教育についてです。

まずは、進学指導重点校についてお伺いします。

県教育委員会では、八校の進学指導重点校を県内各地に指定し、大学などへの進学を目標として、新入学の一年時から文字どおり重点的な指導教育体制を整えているとしていますが、過疎地における重点校は期待に沿える成果が見えていない感がいたしております。

今、県教育委員会は、習熟度別指導に力を入れておられますが、もう一歩それぞれの地域に足を踏み入れて、学校を取り巻く実情を見ていただきたいと思います。

例えば、私の地元の重点校となっています竹田高校の場合、上野丘高校と比べれば、全体的に明らかに学力差が見られますが、それでいて、習熟度別指導の成績評価は、最難関大学や難関大学への合格者数という同じ尺度で両校を評価しがちではないかなと思っています。

過疎地域の重点校の習熟度別指導は、最難関大学や難関大学を目指すというよりも、入学時の学力を確実に伸ばすことにより、国立大学などにより多くの合格者を送り出すことが重視されるべきだと私は思っております。

もちろん、県内のどの高校からでも最難関大学に進学できる教育環境の整備は大切ですが、その機能に過度に固執すれば、学力にばらつきがある生徒個々の実情や希望に沿った指導ができないのではないかと危惧しております。

特に、過疎地域の重点校においては、習熟度別指導をより充実徹底することにより、生徒一人一人の学力向上につなげていただくことが重点校全体の魅力づくりにつながると私は考えますが、県教育委員会の見解を伺います。

○近藤和義議長 野中教育長。

◎野中信孝教育長 お答えします。

地域の生徒は地域で育てるという基本的な考えのもと、地域の普通科高校のうち八校を進学指導重点校に指定し、進学力向上の支援を行ってきました。

ことし三月の卒業生の国公立現役合格率は八校平均で四一・三%であり、県平均の二倍以上の成果を上げています。一方、最難関大学や難関大学の合格者数は、平成二十二年三月卒業生をピークにこの四年間減少しています。

難関大学進学へ向けた環境の整備とともに、議員ご指摘のように、生徒一人一人の実情に応じた進路指導のあり方が重要であると考えています。

そのため、一人一人の志望達成に向け、学習習熟度別指導に係る教員を配置しておりまして、八校には、英語と数学で各一名加配し、学力に応じた授業を実施しています。

また、県教育委員会指導主事による計画的な学校訪問で、実情に適したクラス編成や授業の目標設定などの指導、助言を行っています。

今後も、このような取り組みを充実徹底し、生徒一人一人の学力を向上させ、地域の進学指導重点校としての魅力を高めていきたいと考えています。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

過疎地の重点校では、実際、頭のいい子は中心部、上野や舞鶴や、その辺にとられて、また、受験生が全入するという、つまり定員割れの事態も起こっております。その結果、生徒の学力差が出てきております。そのためにも、習熟度別指導のあり方をどれだけ生徒の成績が伸びたかというところにも視点を置いて、しっかりと指導していっていただきたいと思っております。

次に、学校事務の体制について伺います。

県立高校の事務補佐は、学校の清掃をしたり、会計事務や教員の生徒指導を広く補佐するなど、学校運営上、大切な役割を担っております。しかしながら本県では、生徒数を加味した割合で見ると、他県と比較して事務補佐が圧倒的に多く、平成十八年ごろから適正な職員数への削減が課題とされてきました。

そこで、平成二十年三月三十一日付の県立学校長に対する教育長通知によって、事務補佐の職の原則廃止の方針が示されました。 その際、五十歳代の事務補佐は定年までの間在籍できるという特例措置により、当時、約百五十名の事務補佐が継続雇用となりましたが、その後、次第に退職されて、現在では二十名となっております。

ところが、その事務補佐が減っていく一方で、現場の教員や事務職員だけでは業務が十分に消化できず、実は、教員は事務作業にも追われ、少数の事務職員でさえ週末出勤を強いられるという現状が見られます。

この事務補佐の廃止という改革の目的を再度ここで検証し、完全廃止に向かう学校現場の窮状をどう把握しているのかについて、まずはお伺いします。

○近藤和義議長 野中教育長。

◎野中信孝教育長 お答えします。

県立学校の事務補佐員の職の見直しについては、事務補佐員の業務内容の見直しや、さらなる人材活用を図ることが目的であります。

また、各学校では、平成二十年度より学校全体の業務の見直しに当たって、組織改善委員会を設置し、学校の教育活動が円滑に行われるよう取り組んでいます。

県教育委員会では、その取り組み状況や学校現場の実情を、毎年の学校訪問で把握しながら、事務補佐員が従来担ってきた業務の簡素化や効率化を図っています。

例えば、剪定などの環境整備に係る外部委託の推進、高機能印刷機の導入による印刷業務の効率化、一人一台パソコンの導入による文書収受の効率化等を進めてきたところです。

生徒数の減少による学校の小規模化に伴い、事務室の体制も小規模化する中、より組織的な対応が必要です。そのため、財務会計事務体制の強化や人事交流、研修等による事務職員の人材育成、活用を図ってまいります。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 改めて言及したいのですが、事務補佐員を平成十九年度の百五十二名に戻せと言っているのではありません。改革を進める中で弊害が出てきているので手当てをとお願いしているのです。

これまで事務補佐員がしていた業務、例えば、テスト用紙の印刷、今では、特に休み時間なんかは印刷機の前に教員の列ができております。また、クラス会計や学年会計ももちろん教員の仕事になっております。世界一忙しい教師と言われるゆえんでございます。また、学校の管理や整備についても、事務補佐員のかわりに年二回の清掃業者や庭師が来るだけでは十分ではありません。やはり日々の手入れが必要でございます。

組織的に手当てができるように委員会で検討している、そして取り組んでいるということですが、やはりそこには無理があるんではないかなと思っております。やはり支援スタッフとか、そういった人員が必要ではないかと思うんです。特に、PTA会費等の少ない過疎地の学校においては。これについてどのように思われますか。

○近藤和義議長 野中教育長。

◎野中信孝教育長 事務補佐員の職の廃止に伴い、事務の見直し等を行ってまいりました。それによって、学校での事務の改善等、学校に設置する組織改善委員会が負担の軽減、あるいは均てん化を図るという趣旨で活動してまいりました。

これまで随分、事務の改善等を行ってまいりました。学校等によって、よくできているところ、あるいは体制によってまだ不十分なところもあろうかと思います。そういった声を現場からも聞きながら、さらなる改善の方法を考えていきたいというふうに思います。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

さらなる改善の方法を、現場の皆さんと協議しながら対策を練っていただきたいと思います。

次に、これからは個別の案件ですが、まずは竹田高校の受験要件についてお伺いします。

平成二十四年の第四回定例会の一般質問で、私は、県外生の竹田高校受験の要件緩和を求めたのに対し、野中教育長は、直ちに検討すべき段階ではないと答弁されました。こういう内容です。今、県の受験条件では、基本的に県内に家族と住んでいないと県立の高校は受験できません。ただし、中津と日田は福岡と関係が密なため、隣接する県外地域の取り決めで福岡県の隣接中学校から県外者の志願手続なしで大分県立の高校を受験できるようになっております。

これはなぜかと問うたところ、例えば、中津は豊前、大分県と福岡県の一体的な社会があると答弁され、そして、生徒が学ぶということだけではなく、生活面できちんとサポートできるかというところを一番重視しているとおっしゃいました。豊肥地区では、このような取り組みを考えていないという答弁でございました。

そもそも生徒が少ない地域で、進学校の定員を維持しようと思えば、竹田高校を阿蘇久住の麓にある進学校とすることも必要ではないでしょうか。

このことは阿蘇や黒川の生徒にしてみれば喜ばしいことにもなりますし、地域に進学校が存続していくということは、豊肥地区全体にとりましても大変ありがたいことでございます。

あれから二年近く経過しますが、そろそろ検討段階を迎えているのではないかと期待しておりますので、ご答弁をお願いします。

○近藤和義議長 野中教育長。

◎野中信孝教育長 お答えします。

県立高校においては、まずは県民のために教育を行うことを優先して考える必要があり、県外生の受け入れについては、生活圏をともにしている隣接地域に在住していることや、あるいは当該高校に他県にもないような特色のある学科があることや、あるいは受け入れ態勢が整っていることなど、このような点を考慮すべきと考えています。

竹田高校においては、伝統ある普通科進学校として地域に根差した特色ある学校づくりをより一層進めていきたいと考えています。

受験要件の緩和については、今後の少子化の進行や地元竹田市の保護者等の意向を見ながら研究していきたいと考えています。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

研究していくということでございますので、よろしくお願いします。

その研究を進める上での一つの判断といいますか、再質問させていただきます。

竹田がどういう地域かとまず申し上げたいと思います。例えば、荻地域です。実に多くの家庭が阿蘇や高森、波野から血縁関係を結んでおります。もちろん、熊本県側にもその逆があります。また、拝田原のショッピングエリアでは、熊本ナンバーの車両をよく見かけます。さらに、この日曜日に開催されます竹田薪能、多くの黒川の宿も支援してくれております。そして最後に、何といいましても、久住地域には肥後藩の地域がたくさんあります。つまり、生活圏をともにしている地域であります。この辺も考えていただければなと思いますし、熊本県立の高校では、定員の五%までは県外の生徒を受け入れています。私が二年前に一般質問してからの間を見てみますと、竹田市の中学校を卒業した竹田市民の生徒が、熊本の県立高校へ平成二十五年度で三名、平成二十四年度で四名進学しています。

やはり隣接した地域でございますし、生活圏も一緒です。機会を均等にと思うんですが、この辺どのように思われますか、お伺いします。

○近藤和義議長 野中教育長。

◎野中信孝教育長 生活圏、経済圏の一体性ということについて、私の方が申し上げましたのは、これまでの歴史的な形成の中で現在の中津市と日田市の例外があるということでございます。

今、議員ご指摘の荻、あるいは拝田原等で隣接市町村との交流もあるということであります。またそういった点も研究していきたいというふうに思います。

また、熊本県が五%の県外生を受け入れているということについては、本県が同じような判断をするに当たって必要になれば相談をしていきたいというふうに思います。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

検討の方を進めていただければなと思います。

次に、三重総合高校久住校の学生寮について質問いたします。

三重総合高校久住校に近接する学生寮は、三十五年前に国が建設した木造二階建てで、当時の久住町の支援で、二十四年前から学生寮として使用されており、現在は保護者と教員の全員で支えられる運営委員会が管理主体となっています。

年月の経過によって建物は激しく老朽化、そんな中、この夏、二度にわたってこの寮でつくった弁当に虫やウジが混入するという事態が立て続けに発生しました。

まず、七月二十四日に、寮が生徒や先生のためにつくった弁当にウジが、また、八月二十八日にも虫の混入があり、豊肥保健所からも指導を受け、厨房の改良工事を実施したところであります。

平成二十三年の第二回定例会において、私は、老朽化した学生寮の早期改善を求め、当時の小矢教育長から前向きな答弁をいただきました。

また、野中教育長も平成二十四年二月に久住校を訪れ、状況を把握してくださいましたが、それ以降、何らかの対応の見通しはないのか、改めて改善の取り組みについて進捗状況をお伺いします。

○近藤和義議長 野中教育長。

◎野中信孝教育長 お答えします。

三重総合高校久住校は、農業技術者養成の専門高校として、畜産や野菜など、地域に根差した特色ある教育活動に取り組んでいます。

学生寮については、竹田市が所有するものを保護者等で組織する寮管理運営委員会が借り受け、竹田市から補助も受けながら運営されています。

今回の虫の混入事案については、保健所の指導を受けながら、厨房や食堂について、捕虫燈の設置、ドアの改良、網戸の改修等が行われました。

学生寮の老朽化の課題については、設置に至るこれまでの経緯なども踏まえ、地元竹田市や管理運営委員会と連携して、どういった対応が考えられるのか、協議していきたいと考えています。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 運営委員会と竹田市とともに協議しながら改善に努めていくということでございますが、少々細かな点を聞いていきたいと思います。

まずは施設の問題です。

生徒が生活する寮ですので、この春に寮の耐震化が問題になりまして、久住校が県教委に相談したところ、県教委は、寮は竹田市の持ち物なんで、竹田市と相談してと、相談にも応じてくれなかったと私の調査で判明しております。

県立高校の生徒のための寮です。これで本当に寮の課題を解決していこうとされているのかというのがちょっと疑問でございます。

先ほど答弁いただきましたので、改めていくということでございますので、三つの点について、まずはお伺いしたいと思います。

耐震化の問題、まず初めです。

二番目が、古くて小さな厨房が今回の事件の発端です。古くて小さな厨房、これをどうするのか。

そして、食堂を通らなければ新館と呼ばれる生徒たちの部屋に行けないという、食堂が廊下化しているんです。食堂の中に動線があるということで、こういう施設の問題、どう考えているのか、協議を進める上で、県の意見を持たなければならないと思いますので、まず県の意見をお伺いしたいと思います。県教委、お願いします。

○近藤和義議長 野中教育長。

◎野中信孝教育長 先ほど答弁をいたしました久住校の老朽化の問題と同様、第一義的には所有者である竹田市が実施すべきと考えていますけれども、県としてどういった対応が考えられるのか、竹田市や管理委員会と協議をしていきたいと考えています。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 済みません。でしたら再質問をしますが、寮の管理のあり方です。

保護者と教員の善意から成る運営委員会が管理していますが、夜間や日曜日など生徒が寮で過ごす間は、教員の皆さんがいてくれております。宿泊してくれております。調理員も雇い、食事も弁当にも当然お金がかかります。ここを生徒の寮費、一人月三万円と竹田市からの運営費補助、年間二百万強、これを充てて運営しています。県費はゼロです。

この辺どのように考えているのか、どうしていこうとされているのか、教育長に伺います。

○近藤和義議長 野中教育長。

◎野中信孝教育長 寮の設置、管理運営につきましては、現在、大分県が設置し管理運営している山香農業高校の寮、それから海洋科学高校の寮、それぞれその高校の教育目的等から設置をし、管理をしているものです。

久住校については、県として寮を設置するという判断ではなくて、当時の久住町の厚意、それから、父兄その他関係者の熱意で現在のような形になっています。

現在の寮の管理が運営委員会、あるいは先生のボランティアという形になっているのは事実でありまして、これについても、これまで寮の管理運営委員会が管理してきた、そういった経緯ももう一度検討しながら、竹田市と話もしてみたいというふうに思います。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 済みません。畳みかけるようで申しわけないんですが、調理員についてお伺いしたいと思います。

今回、事件を起こして、調査して、調理員とお話ししました。

その方は、今まで自殺の記事を読むたびに、何でみずから命を絶つのと思っていましたが、でも今回の件でその気持ちになりましたと答えてくれました。涙を浮かべながらです。

朝四時過ぎから厨房に入って生徒のために食事や弁当をつくっています。もう一人の非常勤の調理員が、手の足らないときには手伝ってくれるという状況です。

しかし、今回の事柄で、この体制を見直さなければならないんじゃないかなと思っております。ここは早急に対応をお願いしたいと思うんですが、その辺の見解について、教育長の考えをお伺いします。

○近藤和義議長 野中教育長。

◎野中信孝教育長 久住校の学生寮におきましては、現在、常勤の職員一名と非常勤職員一名が寮生の朝食、弁当、それから夕食の調理をしているというふうに思っています。

今回、弁当に虫が混入するという事件を受けて、調理員の心労が甚だしかったというふうに伺っております。

厨房、あるいは調理の体制がどのような状況にあるかについては、改めて調査もしてみたいというふうに思います。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

しっかりと調査をされまして、対応をとっていただきたいと思っております。

久住校は、小さな学校の大きな希望という言葉を掲げ、久住山の麓で畜産などの農業教育を通じて、すばらしい人材を育んでいる、しかも地域を挙げてです。このことは、県下でも特色のある学校の一つではないかなと思っております。

今現在、久住校の在校生を見てみますと、県下三十一の各地の中学校から集まってきております。つまり、久住校での特色を考えれば、寮はどうしても切っても切れない施設なのです。本腰を入れた対応を強く求めますので、今後の対策をよろしくお願いいたします。

最後ですが、久住山を生かした地域づくりについて伺います。

まずは、竹田市側からの久住山へのアクセスについて伺います。

阿蘇くじゅう国立公園は、ことしで指定八十周年、これを機として環境省では、この国立公園のすばらしさを改めて多くの皆さんに知っていただこうと、ガイドマップの作成や記念行事の開催等を通じて、この地域のPRに取り組んでおり、当然のことながら、久住山を抱くこの本県も、それに歩調を合わせて、阿蘇くじゅう国立公園の魅力づくりの一役を担っているところでございます。

久住には、決して阿蘇には負けない魅力がありますが、訪れる方々の注目度の面では、やはり阿蘇に軍配が上がっている現状がございます。

さらに、久住山に年間十六万人の登山客が訪れていますが、その動向を見てみますと、九重町側からの登山客が何と九割を占めており、竹田市側の登山客は一割程度にとどまっております。

そこで、久住山の登山客を今後ふやしていくためには、やはり竹田市側の登山口や登山道の整備に力を入れて、山歩きの環境改善を図ることが喫緊の課題だと言えます。今、その一環として、竹田市では、周遊バスの運行や久住沢水登山口のビジターセンター建設などに向けた検討を精力的に進めているところでございます。

赤川登山口は県が管理者ですし、竹田市が構想を練っている沢水キャンプ場は、平成二十五年度まで県の管理施設でございました。ぜひとも久住山への竹田市側からのアクセス改善に向けて、県としても力添えをいただきたいと思うんですが、そして、久住の魅力を発信していきたいと思っておるんですが、県の見解をお伺いします。

○近藤和義議長 日高企画振興部長。

◎日高雅近企画振興部長 竹田市側からの久住山へのアクセスについてお答えいたします。

久住山は、日本百名山の一つでありまして、南麓に広がる久住高原は、はるか祖母傾、阿蘇を望む雄大な眺望と個性豊かな温泉も兼ね備えた本県有数の観光資源であると考えております。県としても、その魅力を竹田市と一緒に情報発信しているところでございます。

竹田市側の登山口は、国道四四二号の拡幅工事によって、まず道路のアクセスが少しよくなっております。現在、竹田市において検討されている登山口へのアプローチの改善により、さらに登山者にとって便利になるものと思われます。

県では、赤川登山口の駐車場やトイレの整備を実施しまして、赤川登山道や九州自然歩道からの登山者の利便性は向上しております。また、登山道の危険箇所改善や標識等の整備を継続して行っておりまして、登山者の安全性も高まっております。

勾配が急な赤川登山道は、昨年開催された全国高校総体の登山競技にも利用されるなど、中・上級者向けの魅力あるコースとなっております。

こうした利便性の向上やコースの魅力をPRしながら、登山客の増加に結びつけたいと考えております。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

登山道の改善は進んでいるということですが、まず、総務省の大分行政評価事務所は、この春に、九州自然歩道が傷んでいるので改善をしてくれと県に求めております。この改善ぐあいはどういうぐあいになっているのか、お伺いします。

○近藤和義議長 日高企画振興部長。

◎日高雅近企画振興部長 ことし三月、総務省の行政評価におきまして、環境省に対して九州自然歩道の五十カ所について、整備の不備が指摘されたところでございます。

この九州自然歩道につきましては、三位一体改革により、平成十七年度から、国立公園内における九州自然歩道の整備は国の直轄事業として実施すべきものとされている意見もございまして、国と協議を進めているところでございますが、現時点では県の管理部分も残っておりまして、五十カ所のうち三十九カ所は、現在、県が管理している部分でございました。

県としましては、利用者の安全確保がまず第一という観点から、早急に改善すべき八カ所の整備を八月中に終えたところでございます。

その他の箇所については、環境省に対して整備するよう要望しているところでございます。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 次に、登山道です。

赤川登山道の管理者は県です。しかしながら、岳麓寺登山道など、特に大船山系の登山道に管理者が決まっていないところが多くあります。この現状を県はどう考えているのか、お伺いします。

○近藤和義議長 日高企画振興部長。

◎日高雅近企画振興部長 久住山の登山道でございますけれども、電力会社が所有する平治岳周辺を除きまして、その大半は国有林地の中にございます。

登山道は、昔からの慣行によりまして人々に利用されてきておりまして、九州自然歩道のように環境省や県が整備した箇所については引き続き、その管理を行っているところでございますが、その他については、地域や利用者、愛好者などが整備しているケースが多い状況でございます。

利用者がふえて登山道の改善、改良などを行う必要が生じたときには、地元自治体を中心に、こうした登山の愛好者、あるいは自然環境保護団体などの意見を聞きながら対応していくことになると思われます。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 地元自治体中心にということでございますが、やはり県もそこに加わって、しっかりと管理をしていっていただきたいと思っておりますし、定まっていませんので、やはりどこかが責任持って管理すべきだと私は感じております。その辺も検討をお願いします。

さらには、登山口周辺の整備であります。久住山北側の登山口には、駐車場とトイレが設置されておりますが、南側の登山口では整備されていないところが多いです。

レゾネイトクラブくじゅうの前から登る朽網から法華院へ行く登山道の登山口でさえ整備されておりません。この辺についてはどうお考えか、お伺いします。

○近藤和義議長 日高企画振興部長。

◎日高雅近企画振興部長 今、議員からご指摘いただいた方向、いわゆる朽網分かれというところを経由する登山道になると思いますけれども、こちらの方につきましては、登山口が三カ所、大きく言えばあると思います。県では、そのうち、登山者の多い沢水のキャンプ場に駐車場及びトイレを整備いたしました。

先ほど議員からも、最初のご質問の中で話がありましたように、この沢水キャンプ場の方は竹田市の方でさらなる活用を考えております。現在でも駐車場等については余裕がありますので、今そういう状況でございます。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 そのほかの二つの場所についても、やはり検討していただきたいなと思っております。よろしくお願いします。

久住山の振興における市町との連携について、最後にお伺いします。

久住山には、竹田市、九重町、由布市からの登山口があり、県の振興局の管轄もそれぞれ豊肥、西部、中部にまたがっていますが、このような状況では、軸を一つにした久住山振興策に取り組めないんではないかなと思っております。

祖母傾山系では、竹田、豊後大野、佐伯の三市にまたがっている点ではくじゅう連山と同様ですが、今年度から、県と三市が連携、協力してエコパークへの登録を目指すという動きが出ております。大変有意義ですばらしいことであると歓迎している次第でありますが、そこで私は、久住山の魅力を生かした地域振興についても、広域行政を担う立場から、県が地元の市町をまとめていただきたい、そして計画的な、効果的な施策を打ち出していく必要があるんじゃないかなと考えますが、いかがでしょうか。

○近藤和義議長 日高企画振興部長。

◎日高雅近企画振興部長 久住山を生かした地域振興についてお答えいたします。

久住山を生かした地域振興に当たっては、久住山の自然環境の保全、それと、それを生かした観光の振興に関係市町と県が連携して取り組むことは重要だと考えております。

まず、自然環境の保全では、県と竹田市、観光協会、環境省等でくじゅう地区管理運営協議会を組織しておりますので、ここで継続的な保護活動を推進しております。

また、観光の振興では、竹田市など三県十市町村で構成する阿蘇くじゅう観光圏が、昨年四月に観光庁の広域観光圏に認定され、久住、阿蘇、高千穂をめぐる広域観光ルートを形成し、着地型商品の造成や、情報発信を今行っております。

また、本年は、国立公園指定八十周年、やまなみハイウェイ開通五十周年という記念の年に当たります。竹田市などと連携しまして、ガイドマップの作成や宝めぐり、サイクリング大会といった新たな広域誘客イベントを一緒に展開しているところでございます。

来年のデスティネーションキャンペーンに向けて、地元市町と協力して、くじゅうの山並みの雄大な自然景観を有する久住高原をモデルコースに組み込み、旅行会社に積極的に提案している状況でございます。

今後とも、関係市町等と連携しながら、久住山の魅力を生かした地域振興に努めていきたいと考えております。

○近藤和義議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 デスティネーションキャンペーンもいい契機として活用していただければなと思います。

いずれにしましても、久住山は私たちの誇りであります。そこをより多くの人々に楽しんでいただきたいと考えております。

阿蘇くじゅう国立公園指定八十周年を機に、この年を久住山ルネサンスの年とし、再度、振興策を練り直してくださいとお願い申し上げ、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

○近藤和義議長

以上で土居昌弘君の質問及び答弁は終わりました。