大分県議会活動

平成25年第2回定例会


2013年6月27日 本会議 一般質問

◆土居昌弘議員 五番、土居昌弘。

大分県豪雨から一年がたちます。また、この季節を迎えました。この一年間の広瀬知事初め、県職員の皆様方の復旧に向けてのご尽力、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。

しかしながら、一年前被災した方々は、その傷がいえないまま、この時期を迎え、また傷を広げられるんではないかと大変心配しております。県としましても、この不安に寄り添い、対策を練って、起こるかもしれない水害への万全の体制を整えていただきたいと願っております。

では、質問に入ります。

我が国は、いよいよ本格的な人口減少の時代に突入しております。本県でも全国に先んじて人口減少が続いており、いわば人口減少先進県の一つであります。

人口減少が続く地域社会の活力を将来にわたっていかに維持し、向上を図るかは、まさに現役世代の我々に重くのしかかる課題であります。よく、問題には回答があるけれども、課題には答えがないとも言われますが、私たちは英知を結集して光明を見出していかなければなりません。

そこで、私からは、今回、この課題に光を当てていくために、地域政策という観点から質問していきたいと思います。

まず初めに、地域課題への対応です。

県の本年度当初予算には、新たに地域課題対応枠として八事業、約二千百万円が計上されております。これは、県内各地が抱える地域特有のさまざまな課題の解決に向けて、県の振興局がきめ細かく取り組んでいこうとする地域限定の予算であり、従来からの県域共通の補助要綱など、同じ枠組みで支援を行っている県の事業のあり方とは発想を切りかえたものになっております。

佐伯では、東九州道の開通を契機とした誘客策であったり、豊後大野では、市が葉たばこからの転換を推進している里芋の産地育成であったりと、各地で多彩な事業に取り組んでおられます。

来年度以降もこういう視点で地域政策をぜひ拡充すべきではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。

また、こういった事業を通じて解決すべき地域課題は、各地域の実情に沿い、地域社会の声にこたえるものでなければなりません。本年度の地域課題八事業の準備に際しては、県の本庁と振興局職員が幾度も検討を重ねたと伺いましたが、ともすれば、若干、県主導の色合いが強いような印象を受けました。

市町村の現状は、地域社会のマネジメントに大きな影響を及ぼす市町村行政が、人口減少により地域の活力が低下し、自治体職員も減少する中、役所の効率化を通り越して弱体化に向かえば、地域経営は大きく揺らぎかねません。規模の小さな市町村ではなおさらです。ですから、各振興局初め、土木事務所や保健所など県職員が中心となって、地域の課題に光を当て、関係者と議論をし、共通の理解を醸成しながら、解決策となる事業を構築していただきたいと考えております。

このような考えを県はどのように受けとめるのか、また、今後の地域政策の推進に向けた県の取り組み方針を伺います。

〔土居議員、対面演壇横の待機席へ移動〕

○田中利明副議長 ただいまの土居昌弘君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

〔広瀬知事登壇〕

◎広瀬勝貞知事 土居昌弘議員のご質問にお答えいたします。

冒頭、昨年の大水害についてご心配をいただきました。

お地元、竹田も大変な被害があったわけでございます。その後、県挙げて復旧、復興に取り組んでおりますけれども、まだまだ復旧復興事業が完成したというところまで至っておりません。そのため、やはり今年度も豪雨期にはよく注意をしておかなければならないというふうに考えております。

先日、降り続きました雨がありましたけれども、直ちに関係部局が現地を回りまして、河川、道路等の状況、大丈夫かどうかというようなことを確認してまいったというようなことがございます。

議員のお話のように、しっかり地元に寄り添いながら、復旧、復興、完成まで気を緩めずにやっていきたいというように考えております。

さて、地域課題への対応についてのご質問でございました。

少子・高齢化に伴う人口減少は、地域の活力減退や、あるいは経済の縮小など地域社会全体に大きな影響を及ぼすものであります。本県では、こうした人口減少社会の展望と課題を認識いたしまして、改定いたしました「安心・活力・発展プラン」にも地域社会の活力を維持向上するための各種施策を盛り込みまして、これらを最優先課題として取り組んでいるところであります。

その第一は、地域住民が主体的にかかわって、互いに助け合いながら、信頼と安心のきずなで結ばれる地域力を強化していくということであります。

子育て満足度日本一を目指しまして、保育料や医療費助成等の経済的支援に加えまして、子供を産み育てることを社会全体で応援するため、地域子育て支援拠点による取り組みなどを進めております。

また、高齢者の元気づくりと新たな支え合いづくりでは、ふれあいサロンの設置や地域包括ケアシステムの構築を積極的に推進しております。

小規模集落対策では、コミュニティー機能を維持する取り組みを強化するため、補助率や限度額を引き上げるとともに、対象地域を山村等にも拡大したところであります。今年度、大変大幅な拡充をいたしました。

第二は、産業の底力を高めることで、地域に雇用の場を創出し、地域経済を活性化するとともに、人口の定着と流入を図っていくということであります。

農林水産業では、マーケット起点のものづくりや次代を担う力強い経営体づくりなど構造改革を進めております。

商工業では、企業誘致によって経済の土俵を大きくするとともに、産業集積や中小企業の活性化、新たな成長産業の育成などに努めているところであります。

観光と地域づくりを一体的に推進するツーリズムでは、地域の魅力を掘り起こして誘客対策を展開しております。

対策の第三は、地域資源の活用や課題の解決を行うさまざまな主体を応援することで、地域の元気を創造し、その誇りを育てることであります。

市町村や関係団体等と一体となりまして、現場に根差した施策に知恵を出し、地域活力づくり総合補助金等を活用して事業化までを支援しております。例えば、竹田市では、課題であった規格外のトマトを有効活用するため、商品開発や加工所施設の整備等を支援いたしまして、農家の所得向上と雇用の創出につながっています。

こうした地域からの発想による取り組みこそが重要でありまして、今年度から地域課題対応枠予算やおおいた元気創出基金を創設しまして支援を拡充しているところであります。その検討体制につきましても、振興局初め、県が積極的に地域に入り、有為な情報提供や専門家の紹介などで応援をしているところであります。

このように、各種施策を総合的に実施して、人口減少社会における地域課題に全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに考えております。

○田中利明副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

三月に公表されました日本の地域別将来推計人口によると、本県の市の中で人口減少率が最も高く、高齢化率が最も高いのが竹田市です。つまり、戦後の社会政策では解決できない新しい課題が竹田市ではどんどんあらわれてくるおそれがあります。にもかかわらず、人口減少ということは、市役所の職員が減少するということです。これはどういうことかというと、竹田市の課題を竹田市職員だけで解決していくことが困難になってくるんではないかと危惧しています。私は、この現場に、政策県庁としての県職員の力が必要だと考えております。

よく、県庁職員は現場主義だと言われます。私は、この意味を、県職員が生産者や高齢者などのところに直接行って課題を見つけ出すということと、基礎自治体が抱える課題を共有するという二つの意味があるんではないかと考えております。

私は、今年度から始まった画期的な地域政策であります地域課題対応枠を県職員がわきに抱えて、市町村職員と連携をとり、県職員が中心となって、市町村職員が抱える課題に光を当てて、解決に向けて、ともに努力をしていくような新しい仕組みがそれぞれの市町村で必要ではないかと思っております。これが地域力アップにつながると私は考えております。このような場をつくるべきだと思いますが、県の見解を伺います。

○田中利明副議長 広瀬知事。

◎広瀬勝貞知事 私は、自分もそうでございますけれども、常々、職員に、県民中心の県政という考え方で現場主義に徹するように言っております。それぞれ市町村に積極的に入り込んでいって、そして、情報収集や、あるいは持てる専門的知識をもって意見交換等を行うということに心がけてくれというふうに言っているところでございます。

市町村の職員との間でも、そういった意味で、福祉や防災、あるいは商工業、農林水産業、いろんな分野で情報交換をし、意見の交流をやっているというふうに思っております。また、そうしていかなければならないというふうに思います。

私も、市町村長と意見交換をする機会をできるだけ設けておりますし、全市町村長さんとの意見交換、あるいは市町村議会議長さんとの意見交換といったようなことも行っておりまして、議員ご指摘のように、こういう時代になったら、とにかく、住民のために、県も市もともに全力で取り組む体制をつくっていくということが大事だと思いますし、ぜひそうしていきたいというふうに思います。

○田中利明副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

今回の地域課題対応枠の八事業が立ち上がった過程をそれぞれ見てみますと、いい例がございました。豊後高田市で、平均寿命、健康寿命を延ばしていこうとする「楽しく健康になるまちづくり推進事業」です。これを発案した県の職員は、市役所によく出入りしており、市役所と一緒に活動することも多かったので、県と市が課題を共有して、その課題を解決するために、ともに汗を流そうとなったわけです。そして、この事業は、豊後高田市が主体となって取り組むことになっております。私は、こういう形の事業がもっと生まれていただきたいと思っております。しかも、県職員の資質とか性格ではなく、県の仕組みとして何か必要ではないかと考えておりますので、ぜひともご検討をお願いいたします。

次に、おおいた元気創出基金の活用についてです。

地域課題対応枠とともに、本年度当初予算で特徴的なのは、新たに創設されたおおいた元気創出基金です。これは、国の新たな地方財政対策として、各地域の実情に応じた地域活性化を支援する趣旨で交付される普通交付税を活用して十億円の基金として立ち上げられたもので、大分の元気づくりにつながる事業を幅広く展開しようとするものです。本定例会にも、その第一弾となる事業が補正予算として上程されておりますが、今後、この、先ほどの問答でもありましたが、皆さんの痛みを伴った基金を大切に活用していかなければならないと思っております。

県内各地で元気あふれる取り組みをこの元気創出基金から積極的に仕掛けていただきたいと期待するとともに、あわせて、今後の元気づくり事業の推進に当たっても、全県的な事業のみならず、地域特有の課題に即した多彩な取り組みが必要と考えておりますが、いかがでしょうか。

○田中利明副議長 塩川企画振興部長。

◎塩川也寸志企画振興部長 おおいた元気創出基金の活用についてお答え申し上げます。

この基金は、今年度の地方財政計画に盛り込まれた地域の元気づくり事業の趣旨を踏まえまして、本県が独自に設置したものであります。大分県の元気を創出し、活力ある県づくりを推進することを目的としております。

地域経済の活力の源となる元気で前向きな取り組みに活用していきたいというのが本来の趣旨でございます。

基金事業の概念といたしましては、成果の姿、形が見えるもの、また、ご質問中にもありましたけれども、地域資源を活用するもの、幅広い効果が見込めるものなど、即効性が高く、タイムリーな取り組みを念頭に置いております。

具体的には、本県の地域資源を有効に活用して、観光客の誘客や商工業等の活性化を図り、地元商店街など地域経済が循環していくような取り組みを後押ししたいと考えております。

地域特有の課題解決も大変重要であると考えております。発想の原点は現場にあり、地域の声に耳を傾け、県政に反映することが大事であります。

地域活力づくり総合補助金など既存の事業ともあわせて、基金事業が県経済の起爆剤となり、今後の県勢発展につながっていくよう、柔軟かつ機動的に取り組んでまいりたいと考えております。

以上です。

○田中利明副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

もう少し具体的にお伺いしたいと思いますが、知事も六月十日の記者会見で、「地域の明るい材料を活用して地域の元気づくりを応援していくのがおおいた元気創出基金の役目である」とおっしゃっております。

この地域の明るい材料を今後どのようにして探していくのか、ここでも市町村との連携が重要ではないかと思うんですが、この事業構築に関していかが考えているのか、お伺いします。

○田中利明副議長 広瀬知事。

◎広瀬勝貞知事 ただいまの企画振興部長の答弁を補足させていただきます。

今のご質問でございますけれども、今度の元気創出基金を活用した、今お願いしております予算でございますけれども、これは、どこそこと地域を限定しているわけではなくて、まさに、それぞれ、地域で、こういうことに使ってみたいな、こういうことがあったときに、できるだけ弾力的に使えるようにということで編成をしているものであります。

今ご質問のプレミアムつき商品券等の応援でございますけれども、これも、いろんな元気が出るようなことがあると思います。例えば、国東半島ですと、世界農業遺産への認定というのがありました。近々、今度は、日本ジオパークの認定もあるかもしれません。あるいは、竹田の場合には、大変ご心配をおかけしましたけれども、豊肥線がいよいよ復興して開通をするということが迫っております。そういう、いろんなその地域における元気の出る行事にちなんで何かをやるというときに、ぜひこれを使ってやってくださいというようなことでございまして、できるだけ地域の皆さん方が発想して、そして、こういうことをやりたいと、使いたい、使いやすい制度にしていきたいというふうに考えているところでございます。

○田中利明副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

地域の皆さんの発想によって事業を組み立ててやっていくということですので、ぜひとも今後の活用をよろしくお願いいたします。

次に、障害者差別の禁止についてお伺いします。

平成十八年十二月、障害者への差別を禁止し、その尊厳と権利の保障を義務づけた障害者の権利に関する条約が国連総会において採択されました。それから後、既に約百三十カ国で批准し、日本も批准に向けた国内法制の整備を進めています。

この条約は、障害者の権利及び尊厳を保護、促進するための包括的、総合的な国際条約であり、一般的義務として、障害を理由とするいかなる差別を排除し、すべての障害者のあらゆる人権、基本的自由を完全に実現することを求めるものです。このような考えをもとに、県レベルでも、できることから早期に取り組むことが重要ではないでしょうか。

都道府県条例としましては、既に五道県で制定されております。県議会の政策検討協議会も、だれもが安心して暮らせる大分県条例をつくる会から制定に向けた働きかけを受けています。

現在、県内では、障害のある人やその家族、支援者らで結成されただれもが安心して暮らせる大分県条例をつくる会が、障害者への偏見、差別をなくす条例の必要性を訴え、その制定に向けた取り組みを推進中です。

つくる会では、障害のある方々やその家族、また、周りの皆さんから、約千二百人を対象としたアンケートや聞き取りを通じて、現場の生の声を反映した独自の条例素案を策定しております。

一方、国でも、つい先日の六月十九日に、障害者権利条約批准に向けた法制整備の最後の柱として位置づけられておりました障害者差別解消推進法が可決、成立しました。

そこで伺います。

このような動きを踏まえ、県内の障害者やご家族の思いを実現するため、障害者の差別を禁止する条例の早期の制定が必要と考えますが、いかがでしょうか。

○田中利明副議長 平原福祉保健部長。

◎平原健史福祉保健部長 お答えをいたします。

障害者の差別についてでございますけれども、県ではこれまでも、人権尊重社会づくり推進条例に基づく基本方針に沿って、障害者を初めとした差別解消に取り組んでまいりました。

また、第三期の大分県障がい福祉計画において、差別、偏見により孤立しないよう、関係団体と連携しながら、地域社会の理解の促進に努めてきたところです。

こうした中、今国会で障害者差別解消推進法が成立し、平成二十八年四月の施行に向け、今後、差別解消を推進するための基本方針などが定められることとなっています。

一方、県内では、だれもが安心して暮らせる大分県条例をつくる会が条例素案を作成し、その制定を目指して県議会へ働きかけていることを承知しております。

県といたしましては、こうした状況を踏まえ、障害者差別の解消に向け、関係者や関係団体のご意見をしっかり伺いながら、適時的確に対応していきたいと考えております。  以上でございます。

○田中利明副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 それでは、県として、つくる会の皆さんの活動をどのように評価しているのか、お伺いします。

○田中利明副議長 平原福祉保健部長。

◎平原健史福祉保健部長 お答えいたします。

議員もご紹介されておりましたけれども、約千二百名にも上る障害者やそのご家族の思いや考えを条例素案として取りまとめられましただれもが安心して暮らせる大分県条例をつくる会の取り組みというのは、重く受けとめなければならないというふうに考えております。

○田中利明副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 行政においてもよろしくお願いいたします。

県議会の方でも、つくる会のつくった条例素案について研究をして、障害者差別をなくしていくにはどうしたらいいかと考えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

作家の安積遊歩さんは、生まれつき骨が折れやすい骨形成不全症で車いす、中学校のころ、車いすの友だち三人で外出しました。駅に着くと荷物用のエレベーターしかなかったので、それを貸してくださいと頼んだところ、対応した駅員が、彼女らを見下しながら、「おまえら、荷物用のエレベーターに乗りたいんなら、自分は社会のお荷物ですと言ってみろ」と言ったと。

また、十日ほど前も、ベストセラーの「五体不満足」で知られる乙武洋匡さんが、車いすを理由にレストランの入店を断られたそうです。

さて、だれもが安心して暮らせる大分県条例をつくる会が調査した大分県で生きる障害を持っている方々の暮らしの現状がこれです。

まず、親族から、「うちの家系には、こんな子は要らない」と言われたとか。障害がある夫婦が妊娠したとき、周りから、「おめでとう」と祝福されず、「自分のことも一人でできないのに、自分で育てられない子を産んだらいけない」と、親になることも許されないのが現状。また、小学校入学前の障害児就学前相談で医者から、「残念ですが、IQは成長しても変わりません」「残念ですが、息子さんは普通学級ではちょっと」「本当に残念ですが」と、わずか十五分の相談時間に残念という言葉を何度も繰り返したと。「息子は残念な子ではない」という悲痛な叫びもありました。

社会に出ても、周りの目が気になります。ある視力障害者がレストランで食事をしていると、向こうのテーブルの家族連れの母親が子供に、「物を残すと罰が当たって目がつぶれるよ」と言っているのが聞こえ、悲しかったと。

このように障害を持っている人たちは、どうしてこのようにして生まれてきたのか悩み、周りから「働かない者は死ね」と存在価値を否定され、腹を痛めた母親も、子供をこの世に産んでしまったことを自分で責めているつらい状況がここ大分県にもあるのです。

今ある、この不理解の状況を理解ある社会にしていき、配慮ある人々の暮らしにしていこうではありませんか。

障害は、目が見えない、歩けないといった個人にあるのではなく、目が見えない、歩けない人が普通に暮らすことができないという社会側にこそ障害はあります。それを生み出しているのは、私たち一人一人の心の中の障害です。

そこで、この一人一人の心の障害をとっていこうと思えば、私は、義務教育課程での副籍制が有効だと考えております。副籍制とは、特別支援学校の子供たちが居住地域の小中学校に副次的な籍を持って、地元の学校の行事などに登校し、障害のある子もない子も一緒に学習することで仲間や地域社会とつながりをつくっていこうとする制度です。これについて、一年前の議会で教育長と問答いたしましたが、教育長はそのとき、「福岡市が取り組んでいるが、副籍制は交流の拡大につながっていないようだ」「県とすれば、従来どおり交流と共同学習を推進して、そのつながりをつくっていく」と答えられました。

そこでです。私たち会派は、ことし一月二十六日に福岡市に行って、副籍制を調査してきました。私たち一同は、福岡市の副籍制度の取り組みについて調査しましたが、私たちの期待以上の取り組みと、この制度によって地域デビューをしていこうとする教育活動に情熱を傾けている姿をかいま見ました。

地元の学校の教室には、当然、障害を持っている子供の机があります。その子が教室にあらわれたときには、地元の学校の友だちは、「いらっしゃい」ではなく、「お帰りなさい」と笑顔で出迎えてくれます。あっちもこっちもない、みんな一緒の世界がありました。商店街で会えば、お互い声をかけ合います。

一方の大分県です。竹田の特別支援学校では、隣の竹田南部小学校と交流しております。しかし、今年度の入学式、両校は同じ日の同じ時間帯に行いました。ここに、一緒に祝ってあげられない、あっちとこっちの世界があります。

私は、みんな一緒の世界を築いていく上では大事な取り組みだと考えておりますが、この副籍制度を研究してみる気にはなれませんでしょうか。

○田中利明副議長 野中教育長。

◎野中信孝教育長 現在、本県では、副次的な学籍制度は導入していませんけれども、すべての特別支援学校で近隣の学校との学校間交流を実施しています。

また、居住地にある学校にも年に数回行き、ともに学習する機会を確保している児童生徒もおり、その割合は、小学部で三六%、中学部で一二%程度であります。

副次的な学籍制度は、居住地の小中学校にも二次的な籍を置くということで、同世代の児童生徒との交流及び共同学習を通して、地域とのつながりを持ち、地域の中で育つという教育的意義がございます。

国においても、二十四年七月の中教審の初等中等教育分科会報告でも、居住地校との交流及び共同学習を進める上で、副次的学籍について、意義があるとされていますけれども、あわせて、児童生徒の付き添いや時間割の調整などの現実的課題も検討する必要があるというふうにされております。

現在、全国で副次的学籍制度、東京、埼玉、あるいは横浜市、福岡市、逐次広がっている状況もあるかなというふうに思いますけれども、さまざまな課題もあるということから、今後、他県市町村実施状況について、状況の把握に努めてまいりたいと考えています。

○田中利明副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

地元の学校に障害を持つ子供が一人いるだけで、クラスの、そしてその学校の、それから地元地域の意識が変わってくると思います。教育委員会が把握している福岡市の交流及び共同学習の実施率は低いかもしれませんが、その実施率にあらわれない障害者理解の進捗率は高くなっているんではないかと思っております。それを、子供たちや保護者や先生方の声を聞いてわかりました。

私たち会派は、今回の副籍制度の調査で、福岡と埼玉、東京に行ってきましたが、大変実りの多い調査でございました。ぜひとも、教育委員会でも研究して、この制度にご理解いただき、あっちもこっちもない、みんな一緒の教育課程の中で子供たちが育っていけることを心から願い、また、障害のある人もない人も普通に暮らせる大分県となるように、その県条例を急いでつくっていただきたいとお願いして、次の質問に入りたいと思います。

平成十六年に国は、精神医療の改革ビジョンを打ち出しました。これまでの精神病院を中心とした収容的な処遇体制を、世界的、時代的な背景のもと、地域の中で障害者の生活を支えていこうとする、入院医療中心から地域生活中心への大転換が行われ、これからの十年間で精神病床数約七万減少を促しました。この考えに沿って平成十八年四月には障害者自立支援法が制定され、精神科病院に入院している精神障害者の退院を促進する事業が創設されたのです。

しかしながら、精神障害者の精神病院からの退院はなかなか進まないのが現状です。特に、医療的には入院の必要がなく、在宅での療養が可能であるにもかかわらず、家庭の事情や引き取り拒否により病院で生活を強いられている、いわゆる社会的入院をどうするかが大きな課題です。この課題を解決していこうと思えば、地域で予防、治療、生活支援を統合的に行うことを目指す社会システム、つまり、地域包括ケアシステムを築き、社会的入院を解消し、精神障害者の地域生活を支援していく取り組みをしていかなければ成果は出ないんではないかと思っております。

そこで、県内の精神病院入院患者数の推移をお示ししていただいた上で、この現状をどう認識し、今後どのような取り組みを進めていこうとされているのか、お伺いします。

○田中利明副議長 平原福祉保健部長。

◎平原健史福祉保健部長 お答えをいたします。

まず、県内精神科病院入院患者数の推移でございますが、入院患者全体では、平成十五年の五千二百九十人から二十四年には四千九百五人と三百八十五人減少をしています。

退院が難しくなると言われています入院期間一年以上で見てみますと、この十年間では、総数では三百六十六人減っていますけれども、六十五歳以上の高齢入院者は三百四十八人増加しているところです。

県では、県内六圏域に設置しています地域移行推進協議会を中心に、精神障害者の退院支援、地域生活支援に取り組んでいますけれども、いわゆる社会的入院を解消していくためには、特に高齢入院者の退院を促進していく必要があると認識しております。

このため、本年度から、精神科病院の医師や精神保健福祉士等の専門職員と地域の介護支援専門員等がチームとなり、退院に向けた定期的なミーティングや対象者への働きかけなど包括的な支援を行うこととしており、高齢入院者の地域移行の取り組みを強化することとしております。  以上でございます。

○田中利明副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 高齢者の退院促進をしていくということはわかりましたが、先ほど答弁にありました精神障害者地域移行支援特別対策事業を平成二十三年から行いました。それから、平成二十四年度から行っております精神障害者地域移行支援対策事業、前回のモデル事業の反省を踏まえて、どういう取り組みをしていくのか、お伺いします。

○田中利明副議長 平原福祉保健部長。

◎平原健史福祉保健部長 平成二十四年度から大分県の第三期の障がい福祉計画の中で地域移行支援者ということ、目標定めてやろうとしておりますけれども、そのための取り組みについてのお答えということで答えさせていただきますけれども、指定一般相談支援事業者という事業者がおります。この方が地域移行支援や地域対策支援を行う事業者ということで、平成二十四年度以降、位置づけられておりますので、この活用を図っていくことが大事かなというふうに思っておりまして、まずは、二十四年度からの事業でございますので、市町村や精神病院等関係者に制度の周知啓発を図るとともに、この事業者自身に対する専門研修など、引き続き実施してまいりたいと考えております。  以上でございます。

○田中利明副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 指定一般相談支援事業者の活用が大切だということはわかりました。

では、その活用をしていく上で、どういう環境がしかれれば活用しやすくなるのか。例えば、精神科が持っている相談事業者ならば入院患者の情報などは得られますが、そうでない相談事業者はなかなかそういった情報が手に入りませんし、どのように活動していくのか、わからないのが状況です。この辺、県としてはどのように考えているのか、お伺いします。

○田中利明副議長 平原福祉保健部長。

◎平原健史福祉保健部長 お答えします。

なかなか難しいなというふうに思いますけれども、いわゆる地域のネットワークの中でこうした退院を希望する患者さんをどう救おうかということが一つ重要だと思いますし、二十四年度からの個別給付化ということの中では、入院患者さんの意向を踏まえて地域移行ができるような制度というふうに、より制度の改善がなされたというふうに理解しておりますので、こういった入院患者さんの意向をうまく反映できる、それを受けとめる地域での取り組みということを今後とも進めていきたいというふうに思っております。  以上でございます。

○田中利明副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 入院患者さんの意向というのを、病院だけではなくて、地域すべてのところでネットワークを組みながら受け取って、どのようにして退院させていくかというところを考えて取り組んでいただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

我が国の精神病床数は約三十五万床です。入院患者数は約三十二万です。この現状を諸外国と比べてみると、人口当たりの精神病床数は、外国では、ここ数十年で病床を削減して、地域生活支援強化がなされ、減少しているのに対して、我が国では横ばいの状況であり、かつ、諸外国を大幅に上回っているという現象があります。決して日本は精神障害が重篤化するという地域ではないと私は思っています。社会の仕組みがまずいんだと僕は考えております。ぜひともその解消に向けてご尽力いただけることを願っております。

次に、農業農村整備における農家負担についてお伺いします。

地域の農業を支えていくには、作物を生産する農地に加え、水を導く水路やため池などの水利施設等を含めた農業基盤が確立される必要があり、それらが脈々と守り継がれてこそ、美しい農村景観が維持され、国土の保全などにわたる多面的な機能が発揮されることとなります。この環境を整備するのが農業農村整備事業です。このような公益性を、私自身、改めて認識した上で、現在、県内で事業実施に向けた要望はあるものの、農家負担がネックとなって、取り組みかねているそのメニューの中の農業基盤整備促進事業について質問いたします。

平成二十三年度に制度化された農業基盤整備促進事業は、一カ所当たりの整備事業費が二百万円以上を要件として、地域のきめ細かな要望に柔軟に対応が可能で、地域の設定などに当たっての制約も比較的少なく、大変使い勝手のよい事業となっております。しかし、国の補助率は五〇%、中山間地では五五%であるものの、なぜか県費負担がないため、結果的に農家負担が過重となり、事業推進に支障を来すという声も聞こえております。

私の地元、竹田市においても、用水路の整備や暗渠排水などを市内各所で行いたいという要望はあると伺っておりますが、農家負担が軽減されれば、事業の推進も図られ、地域農業の課題解決が促進されるのではないかと思っております。

そこで、環境を守りながら国民の食料生産に資するという農業農村整備事業の高い公共性や農業を継続しようと頑張っておられる農家の窮状もお含みいただき、農家負担の軽減を図っていただけないか、県の見解を伺います。

○田中利明副議長 工藤農林水産部長。

◎工藤利明農林水産部長 農業農村整備における農家負担についてお答えをいたします。

農業農村整備事業の多くは、農林水産省の補助事業や交付金事業を活用して整備を進めている状況でございます。これに対する県の負担率については、国が示す「国営及び都道府県営土地改良事業における地方公共団体の負担割合の指針」、いわゆるガイドラインに沿って定めております。このうち、人命にかかわるため池整備など防災上重要な施設については、県の補助率のかさ上げを講じているところでございます。

農業就業人口が減少する中で、農業の持続的な発展には、農業用ダムや頭首工など基幹的な農業水利施設の適正な継承が大きな課題と考えており、県としては、まず、これらの改修にしっかり取り組むことが必要であると考えております。

農家負担の軽減も大変重要な課題と受けとめておりますけれども、県としては、農地集積の向上にあわせて補助率が上がる国の制度などを十分に活用するとともに、引き続き国に対して補助率のアップを働きかけていきたいと考えております。

また、議員ご指摘のとおり、農家負担は事業実施市町村の負担と表裏の関係にありますことから、まずは、市町村の負担がガイドラインを下回らないように要請をしていく必要もあると考えております。

あわせて、県としても、市町村負担を含めた負担割合のあり方について、今後検討を進めてまいりたいと考えております。

以上です。

○田中利明副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 わかりました。

しかし、農業基盤整備促進事業に県として補助を出しているのが、九州では長崎、熊本、沖縄です。これらの県では、小規模で緊急性のあるものに補助をして事業促進を図るとともに、地元負担の軽減によって農村の活性化をしていこうとしております。また、ほかの類似事業との整合性を図る意味もあるそうです。

大分県でも、これらの県と同じように県の支援が必要だと考えておりますが、いかがでしょうか。

○田中利明副議長 工藤農林水産部長。

◎工藤利明農林水産部長 ただいまの農業基盤整備促進事業への県の支援ということについてでございます。

農業基盤整備促進事業は、簡易な老朽施設の更新や排水対策など、事業費が二百万円以上かかるものに対して、国から事業費の二分の一を、直接、事業主体であります市町村や土地改良区などへ助成をしているものでございます。

今後、小規模な基盤整備を実施しようとする場合には、一定の地域内で複数を取りまとめるというようなことで県費負担のある団体営事業で取り組めるようにするなど、負担の軽減が図られるような工夫について、申請の主体といろいろ協議を進めていきたいと考えております。

なお、農業基盤整備促進事業につきましては、現在、国において、直接補助から県を通じた助成に一本化することも含めて見直しが検討されておりまして、その動向も今、注視をしているところでございます。

以上です。

○田中利明副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 六月十日に志村議員と、竹田市の農業基盤で、この事業で改修を望んでいる箇所を見てまいりました。例えば、拝田原水路。昨年の水害で水路から水があふれ、それ以降、水路敷が崩壊し、水路からの漏水のため、土を盛っても、また崩壊するという状況でした。そこでコンクリートを打ちたいが、四百万円かかると。周りにそういった皆さんが、より上の事業に当てはまるような方がいらっしゃらないので、農業基盤整備促進事業を使ってやりたいと。ところが、国が五五%、竹田市が二二・五%、そして地元が二二・五%。つまり、組合員十四名の拝田原水路が、二二・五%の九十万円を負担しなければなりません。

このままでは、私たちの歴史的遺産でもあります農業基盤がどんどん崩壊していくおそれがあるんじゃないかと思っております。私たち議会の方でも国への提案を今考えておりますし、県でも、この状況を認識して、改善策を国に求めていっていただきたいと思っております。また、緊急的な対処はできないかも、ぜひともご検討いただければ、ありがたいです。

次に、最後の質問にまいります。

昨日、玉田議員からも質問がありました豊肥本線を活用した地域活性化について、私も私の観点から質問していきたいと思います。

昨年七月の九州北部豪雨によってJR豊肥本線は、線路内への土砂の流入や路盤の流失、おびただしい倒木など甚大な被害に見舞われました。中でも、激しく被災した竹田駅から宮地駅間においては長期にわたる運休を余儀なくされるなど、地域の生活にも多大な影響が及んだところです。その後、JR九州はもとより、大分、熊本両県の知事が積極的にJRの方にお願いし、また、その関係者の皆様方のご尽力が実り、この八月四日には全線復旧の見通しになるなど、被災当時のあの惨状を思えば、改めて関係者の皆さんに深甚なる敬意を表する次第でございます。

全線開通の折に、JR九州と沿線の竹田、豊後大野両市が連携した開通記念の祝賀イベントも計画されており、県もまさに元気創出基金を活用してご支援していこうとしている中、地元でもこれを機として、観光面での巻き返しを図ろうと、一体となって意気込んでいるところでございます。

また、十月からJR九州が運行する話題満載の豪華観光列車「ななつ星」です。幸いこの豊肥本線を通るんですが、それがなかなか活用というところまで至ってないのが現状です。JR九州の復旧が先行するという取り組みもわかりますが、ぜひともこれも活用した取り組みを実現させていきたいと思っている次第です。

そこで、今後、豊肥本線を活用した地域活性化に向けて、具体的にどのような地元の取り組みが可能であるか、また、県として、どういった役割が果たせるのか、九州各地の先行事例などもあわせてお聞かせください。

○田中利明副議長 塩川企画振興部長。

◎塩川也寸志企画振興部長 豊肥本線を活用した地域活性化についてお答えいたします。

十月からJR九州が運行するクルーズトレイン「ななつ星」ですけれども、毎週金曜日と日曜日に豊肥本線を走ることとなっております。

観光列車を活用した地域活性化の事例としては、沿線住民が手を振って歓迎する鹿児島県指宿の「千本旗プロジェクト」や熊本県人吉の「手をふれーる運動」などが挙げられ、観光客にも好評と聞いております。

「ななつ星」につきましては、豊肥地域の駅では乗降予定はないんですけれども、沿線自治体などとも協力いたしまして、住民の皆さんが手を振るなど歓迎の気持ちを示したり、あるいは季節の花を飾るなどの取り組みを現在模索しているところです。

また、運行が開始されますと、鉄道ファンを初め、県内外から多くの観光客が訪れるものと予想され、フォトスポットの紹介など全国に向けた情報発信により地域への経済波及効果も期待したいと考えております。

豊肥本線沿線は、阿蘇くじゅうの雄大な自然や城下町竹田の歴史、文化、加えて豊後大野地域のジオパークなど、多くの観光資源が存在する県内有数の観光エリアでもあります。

県といたしましても、JR九州や関係自治体と連携しつつ、これらを有機的に結び、観光交流人口の増加による地域活性化を推進したいと考えております。

以上です。

○田中利明副議長 土居昌弘君。

◆土居昌弘議員 JR九州大分支社は、ことしの四月二十六日から五月六日までのゴールデンウイーク中の特急列車の利用状況を発表しました。これによると、豊肥線の大分-豊後竹田間は、上下線ともに何と前年度比約八〇%の減です。JR九州大分支社は、豪雨災害で豊後竹田と宮地の間が不通になっている影響ではないかとしています。

そこで、私たち自由民主党・無所属の会と新しい風の竹内議員とで、先月の五月二十九日に、不通の原因となっております波野の坂の上トンネルの崩落現場の復旧状況を見てまいりました。

宮地-波野間の現場では、工事費約十一億の工事が昼も夜も、そしてゴールデンウイークもなく実施されており、豊肥本線復旧事務所の岡所長は、「JR九州の大切なルートですので、全力を挙げて早期復旧に向けて頑張っている」とおっしゃっておりました。このJR九州の思いにこたえるためにも、豊肥本線沿線の地域が元気にならなければならないと思っております。

アルゼンチンでサッカーをしていた十三歳のリオネル・メッシは、バルセロナへ移住を決めたときに家族へこう訴えたと言われております。「乗るべき列車は一度しか通らない」、つまり、チャンスをつかめということです。

水害で被災をして元気のなかった豊肥線沿線の地域が、列車が通り出したということをチャンスにして、活性化への起爆剤として活用していこうじゃありませんか。乗るべき列車は一度しか通らないという覚悟を持って、全線開通を祝って、この列車に飛び乗って、頑張っていただきたいと切に願って、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○田中利明副議長 以上で土居昌弘君の質問及び答弁は終わりました。